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スレート瓦を塗装すると雨漏り!【雨漏り110番岐阜店】

2019.04.29 塗装工事,雨漏り予防,建物のメンテナンス,屋根工事,意外と知られていない雨漏りの原因,雨漏りに取り組む,コラム

本日の雨漏り110番コラムは雨漏り110番岐阜店の大野が担当します。
よろしくお願いします。

スレート瓦とは、木片とセメントなどを混ぜた硬質木片セメントで作られる薄型瓦です。
一般的に「カラーベスト」や「コロニアル」と言われることが多いのですが「カラーベスト」や「コロニアル」は製品名になります。
絆創膏を「バンドエイド」と言うのと同じようなものですが、各メーカーにより様々な名称(商品名)の薄型スレート瓦があります。

陶器瓦より安価で軽いため近年は新築時に採用されやすいものです。
またゆるい勾配でも施工可能であることから、地域によって使われることが多い瓦です。

強度を増すため平成18年以前のスレート瓦にはアスベスト(石綿)が含まれているものがほとんどでしたが、現在は含まれていません。

表面は塗装で仕上げてあり、最近の強い紫外線や雨などにより、外壁と比較して塗膜の劣化は早くなることが多いです。

新築から30年ほど塗装していなくても、スレート瓦の下にあるアスファルトルーフィングがしっかりしていれば雨漏りすることはありません。
ただし、塗膜が無くなったスレート瓦自体が水分を含み、乾燥を繰り返すことで反りが起きてしまうことがあるため、塗膜が劣化する前に塗装をすることを勧められます。
基本的には3回塗りとよく聞かれるでしょう。

なお、塗膜の劣化したスレート瓦は塗料の吸い込みが激しいため、下塗りのシーラーやプライマーを吸い込みが止まるまで塗らないと中塗りの塗料を吸い込んでしまうため、上塗りを塗っても適正な塗膜にならないことがあります。
そうすると早期の退色などが起きてしまいます。

そして、最も気をつけなければならないのは、スレート瓦の塗装をしたことによって雨漏りが起きることがあるのです。
つまりせっかくの塗装工事が雨漏りを招いてしまうのです。

「タスペーサー」とか「瓦の縁切り」という言葉を聞かれたことはありませんか?
スレート瓦の重なり部分(写真参照)が塗料でふさがると雨漏りが起きる場合があるのです。

屋根工事は屋根瓦の下を雨が通ることを前提で行われており、瓦の下はアスファルトルーフィング、改質アスファルトルーフィング、合成高分子系ルーフィングなどの防水を目的としたシートが貼られています。
専門用語では2次防水と言うこともあります。

瓦の下(2次防水の上)を通った雨は適切に排出されなければなりません。
しかし、塗装工事の際に瓦の重なり部分を塗料で塞いでしまうと、本来なら瓦の重なり部分から排出されるはずの雨が逃げ場を失ってしまい、アスファルトルーフィングを貫通している釘穴などから屋根裏へ雨が侵入してしまうのです。

これは陶器瓦などでも同じです。

専門的な知識がないと、隙間がない方が安心と思いがちですが、実はそうではないのです。

実際、ある大手ハウスメーカーさんでは、スレート瓦の塗装後に雨漏りが頻発したため、スレート瓦の塗装を一時期、禁止にしたことがあります。

このようなスレート瓦からの雨漏りの際には、塞がった部分にカッター等で切り込みを入れると、スレート瓦の裏から溜まった水とカスが出てきます。

スレート瓦を塗装するなら、必ず瓦の重なり部分の塗膜を切って雨が流れる隙間を確保させる【縁切り】を実施するか、タスペーサーという隙間を作るための器具を挿入してください。(下写真参照)
瓦1枚に2個入れると良いです。

2019年4月29日
雨漏り110番岐阜店
大野雅司

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