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散水調査の必要性を感じる今日この頃です【雨漏り110番富山店】

2019.12.30 他の業者が止められなかった雨漏り,神の目,プロフェッショナルとして,正しい知識,雨漏り職人,雨漏り調査の方法,雨漏り診断・雨漏り調査,雨漏り110番グループ,コラム

本日の雨漏り110番コラムは、雨漏り110番富山店の中陳が担当します。

雨漏り修理をするにあたって、ますます散水調査の必要性を感じています。ここ2~3ヶ月に実施した散水調査で、そのように実感したケースを3例ご紹介します。

散水調査ケース1

施主さんの弟が社長の建築会社で3階コンクリート住宅を建ててもらいましたが4~5年で雨漏り。3階ベランダの手摺にアルミ笠木を取り付けたり、屋上とベランダを防水したり、外壁を塗装したりしたが雨漏りは一向に止まらず。その結果から施主さんは弟の建築会社では雨漏りを止めれないと判断し、知人を通して当社に依頼をしてこられました。

雨漏りしている部屋は2階洋室の天井壁際です。雨漏りが止まらないために点検口が取付られています。その点検口から天井裏を確認し、窓から出来る限り顔をだして外壁コンクリートやサッシ廻りを確認しましたが、それらしい不具合は確認できなかったので足場を設置して散水調査をすることになりました。

散水するポイントは4ヶ所で、下部のポイントから順番に散水していきました。

1ヶ所目は2階以上(雨漏りしている部屋以上)の外壁コンクリートです。外壁コンクリートはクラックも確認されず、打継ぎ目地もシッカリとシーリングも打ち直ししているので、目視で不具合は確認されない状態です。案の定1時間以上散水しましたが雨漏りは再現されませんでした。

2ヶ所目は3階サッシ水切り及びサッシ廻りです。水切りのシーリングは劣化して切れてましたので、雨漏り再現する可能性は高いと考えていました。そこも1時間近く散水しましたが、水分計の数値が少し上がっただけで雨漏りは再現されませんでした。

3ヶ所目は3階バルコニーのサッシ水切りです。このヶ所は雨漏りしているところから一番離れていたので、雨漏りが再現する可能性としては一番低いと考えていました。ですから散水ノズルをセットして、散水したままでお昼ご飯を食べに行きました。40分ほどしてから帰ってきて点検口で天井裏を確認したら、何と!3階スラブ裏のクラックから水が染み出始めていました。

4ヶ所目は3階バルコニーのアルミ笠木とコンクリート外壁の取り合いです。3ヶ所目で雨漏り再現した水の出が落ち着いてから1時間くらい散水をしましたが、雨漏りは再現されませんでした。

散水を実施した結論として

3階バルコニーのサッシ水切りは雨漏り修理が必要である。

3階サッシの水切りは水分計の数値が少し上がったのとシーリングが劣化しての切れているので修理したほうが良い、ということです。

施主さんの弟の建築会社は散水調査をせずに、ただ闇雲に1千万円以上の金額をかけて雨漏り修理をしましたが、雨漏りは全く改善されませんでした。

散水調査ケース2

「お客様によけいな御負担をかけたくないので散水調査はしない!」と豪語している、某雨漏り修理専門○○○という雨漏り業者が修理をしたが、これも一向に雨漏りが止まらない。連絡したら2回ほどは対応してくれたが、その後連絡しても対応してくれなくなり、1年くらい経って諦めて当社に調査と修理の問い合わせをしてきた施主さんのケースです。

雨漏りしているのは1階の洋室です。その上はベランダをサッシで囲んで部屋になっていますが、その部屋でも雨漏りがしています。目視ではベランダを囲んだサッシの取り付けが気になるので「いつ誰が施工したのか?」を施主さんに聞くのですが、住宅を中古で購入されていて「いつベランダをサッシで囲んだのかは分からない」とのことでした。

中途半端な修理ですが、その部分は一応修理しているので雨漏りは多少しにくくなっています。ですから「シッカリと散水調査をして確認してから修理の見積りを作成したほうが良い」と施主さんに伝え、了解をいただき仕事を進めました。

散水の結果雨漏りが再現されたのは3ヶ所でした。

1ヶ所目は囲んだサッシとアルミの柱繋ぎ目と、アルミの柱どうしの繋ぎ目です。修理専門○○○が取り付けた笠木板金が更に雨漏りを促進させていました。水下(板金笠木)の取り付けがアルミ柱に対して後になっているので、繋ぎ目を伝う雨水がそのまま板金笠木の中に入り放題でした。散水して15秒くらいで雨漏りが再現しました。修理専門○○○はこの雨漏りに対しての修理で笠木板金を被せたらしいのですが、当社ではありえません。

2ヶ所目はベランダ下の雨押さえの水切りとのし瓦の取り合いです。工事をして分かったのですが、瓦下のルーフィングが立ち上がっていませんでした。

3ヶ所目は施主さんも気づいてなかったのですが、ベランダから3mくらい外れたサッシの下です。天井裏に上がったときに雨染みがあったので散水したら雨漏りが再現しました。サッシ水切りの下と雨押さえ水切りの取り合いが開いた状態で、シーリングがしてありませんでした。

散水調査ケース3

建てて半年以内で雨漏りして建築業者に見てもらうが、建築業者の答えは目視だけで「結露です」。その後他の部屋でも雨漏りし始めるが「雨漏りではなく結露です」を言い通してきたらしいです。しかしそれが経年してALC下地と外壁タイルの間に雨水が入り、外壁タイルが剥がれるようになる。それを殆ど有償で修理してきた施主さんの知人が当社に「雨漏りなのか結露なのかを解明したい」との問い合わせがありました。施主さんの事情から申し訳ありませんが、案件の内容はこれ以上話せません。

「雨漏りなのか?結露なのか?」は散水調査で解明していくのですが、今回の散水調査は建物のスケールや内容から当社だけでは難しいと判断して、大阪から玉水新吾先生(現場で学ぶ住まいの雨仕舞い、建築主が納得する住まいづくり、雨漏り事件簿とその他数冊を著書)と雨漏り110番東大阪中央店の坂元社長に富山に来ていただき、3人で3日かけて散水調査をしました。

本当に自分ひとりではとても難しい案件でした。お二人に協力していただなければとても実施できるような調査ではありませんでしたが、雨漏り110番のネットワークの力を借りて富山では当社しかできない仕事をさせていただきました。

余談ですが110番メンバーとジョイントで調査すると、経験と知識からくる様々な視点や見解は本当に学べます。それと施主さんに不謹慎かもしれませんが、とても調査が楽しいのです。(笑)

「今回は玉水新吾と愉快な雨漏り調査の仲間たちですね~」と夜のご飯中も盛り上がっていました。

以上の3例には元々建築のプロの方や雨漏り専門業者が関わっていた雨漏りですが、散水調査を行わなかったために修理しても雨漏りが止まらず、施主さんからの信用を失い、当社に調査や修理の依頼がきたケースです。

とはいえ当社も「雨漏りの案件ですべて散水調査をしたか?」と聞かれるとそうではありませんので、もしかしたら言われなくて知らないところで信用を失っているかもしれません。自分ごとで考えると雨漏りを修理する上での散水調査の必要性をますます感じる今日この頃でした。

2019年12月30日
雨漏り110番富山店
中陳武

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