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足立区「町会」会館「防水工事並びに排水経路改善工事」の施工例 前編 田端店
雨漏り110番 田端店
こんにちは、(有)志村建装 代表の志村です。
今回は、足立区に所在する「某町会会館」での防水工事の様子を、前編・後編に分けて、皆様にご紹介したいと思います。
一言で「防水工事」と言いましても、外壁の塗替え・屋上/ベランダ/庇等への防水材塗布・目地の打ち替えなど、建物の状況に応じて様々な工程を組み合わせて行います。
今回、ご紹介する建物は、築17年ALC造2階建てです。(写真1・2)
今回が初めての改修工事とのことでした。
さて皆さん、改修工事を17年間していない状況は、建物のメンテナンスをする時期として、
「早い・遅い」どちらだと思われますか?
外壁に施された塗膜の寿命は、どのくらいでしょう?
工事のパンフレットなどでは、基本的に「10~13年」と書かれていることが多いと思います。
この耐久年数は、あくまで目安で、実際は、「時間経過」だけでなく、「立地環境」・「材料の種類などその他の要因」の影響により前後致します。
同時期に建てられた建物でも、傷み具合の差が、予想以上に大きいこともあります。
近年、塗料の研究が飛躍的に進み、現在、15年以上の耐久を期待出来る材料が、以前より少々安価で手に入れることが出来るようになりました。
一方で、どんなに高級な耐久力のある塗料を塗ったところで、「下地」の状態が整っていなければ、耐久年数を維持するのは困難なのです。
当社スタッフには、「下地処理はしっかり丁寧に!」「より長く美しく!」という意識を強く持ってもらうよう日々声掛けを行っております。
なぜならば、この2点が、「耐久年数」や、お住まいのお客様の「住心地」に、大きく影響するからです。
立地環境にあった工事プランと材料の選別をしっかりとすることで、改修工事のサイクル目安が、「10~13年」→「15~20年」にすることが出来るのです!
それでは、今回の工事のご紹介です。
今回の建物は、外壁3面が、交通量の多い道路に、挟まれておりました。
この場合、立地環境から受ける影響は大きいですね。
さっそく、現場調査に伺った際の状況を見てみましょう!
「赤外線カメラ」の画像もご覧ください!(写真3・写真4)
現場調査時の状況
- 築17年 改修工事歴なし。
- 1階に雨漏りあり。
- 屋根:折半屋根(鉄の折れ板で出来ている屋根)で、部分的に腐食している。
- 外壁:看板など鉄部からでた錆汁が目立ち、全体的に汚れとカビの発生が見られる。
- ALC外壁:全体的にシールのひび割れが生じている。
- バルコニー・庇:雨水や砂埃による汚れに加え、カビや藻の発生が見られる。
- シーリング部分:ひび割れ及びブリード現象(変質・周辺の変色)、多数の隙間がある。(写5)
- パネル部分:チョーキング(指でこすると指に劣化した塗装が付く現象)有り。
青紫に写っている箇所に、水の侵入形跡がはっきりと写っています。
恐らく、横からの侵入と予想されます。
さらに、雨漏りの経路を探って行く段階では、設計図と実際の建物の構造に大きな違いを発見しました。
実は、このようなケース、稀ではないのです。
図面上で、2箇所設置されるはずの配管が、1箇所にしか設けられておりませんでした。
「たかだか1箇所くらいで?」と、思われる方もいらっしゃるかと思いますが、その1箇所があるかないかでは、大きな違いを生んでしまうのです。
この件も踏まえ、お客様に最適と思われる工事プランをご提案させて頂きました。
何とも有り難いことに、複数回に渡る工事内容説明の場を設けて頂いた上、
数社の見積もりの中から当社の工事プランを選んで戴くことが出来ました。
有難うございました。
そこで、今回の工事プランを、読者の皆様にご紹介したいと思います。
今回の工事プラン
- 建物外部高圧水洗浄。
- 屋根及び外壁の塗り替え。
- シール打ち替え。
- 錆汁の出る箇所へのシーリング施工。
- バルコニー・庇へのウレタン防水工事。
- 雨漏りの原因と思われる箇所のドレンのストレーナを、ドーム型に取替え。(写6)
- 図面と違う配管数を補うため、配管を大きいサイズの配管に付け替え。
- 看板の塗り替え。
今回の工事は、一般的な「塗替えフルコース」に加え、「天井裏の配管を付け替える」という内容のご提案となりました。
図面上、2箇所に分かれて流れるはずの排水が、1箇所に集中するということは、排水力不足の可能性があります。
加えて、漏水箇所の真上にある「庇」の立上りの高さもかなり低く、これらが漏水に関与している可能性は大きいと考えられます。(写真7)
そこで、配管を直径50ミリから直径75ミリにします。これで、この排水管1本の排水量は、約2倍になります。
また、天井裏の配管設置状態は下図の左、工事後の配管設置状態が右に示してあります。
天井裏で、大きく曲がっている箇所があります。(写真8)
このような配管の曲がりは、漏水問題を起こす可能性を多大に秘めております。
「念には念を!」天井裏を開口するのであれば、直線になるようつなげ直してしまいましょう!
それでは、工事の様子を見ていきましょう!
前編は、「外壁の塗替え」による防水工事のご紹介です。
外壁塗装工事
- 洗浄で細かな汚れを取り除いたところで、すぐ塗装というわけではありません。
ここからが、仕上がりに大きく影響する作業、「下地調整」です!
ひび割れなど表面で気になる現象が有る所は、修復するとともに、水の侵入経路も潰しています。
「Vカット」+「シール充填」です。
ALCの目地にもシーリング材を充填します。(写真11・写真12)
- 錆汁で壁が汚れないよう、錆びている箇所、そして今後錆の出る可能性がある箇所には、防水処理をしておきます。
この処理をしておかないと、雨が降るたび塗りたての壁が、あっという間に錆汁模様になってしまうのです。。。これで、下地調整完了です。
- 下地がキレイになったところで、塗装前の下塗りをします。
塗膜がより密着し、剥がれにくく、長持ちするように塗る材料です。
- それでは、塗装開始です!
2回目の塗装を終えた様子がこちらです。
沢山あった錆汁汚れもこのようにキレイになりました!(写真13)
いかがでしょうか?建物全体が明るくなって、太陽の陽射しを浴びてキラキラしていますね。
塗装を担当した職人談ですが、「この瞬間が、塗装屋でよかった。」と、思う瞬間なのだそうです。(写真14)
今回の工事の流れを見て頂いても明瞭かと思いますが、外壁の塗替えにおいて、「ペンキを塗る作業」は、最後の最後、あっという間なのです。
実は、下地の準備や塗装後の仕上げ作業に要する時間の方がずっと長いのです。それだけ重要な工程とも言えます。
ここまでは、一般的な塗替え工事の「フルコース」を、ご紹介させて頂きました。
以上、「外壁塗り替え防水工事」施工例のご紹介でした!
次回、後編は、「配管の付替え」及び「バルコニーの防水工事」(通気緩衝法)の施工例をご紹介したいと思います。
最後までお付き合い頂き誠に有難うございました。