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下屋根からのサイレントキラー雨漏り【雨漏り110番川崎店】

2019.05.07 正しい知識,建物のメンテナンス,建築板金,雨漏り職人,サイレントキラー雨漏り,雨漏り事例,雨漏り診断・雨漏り調査,雨漏りに取り組む,コラム

本日の雨漏り110番コラムは雨漏り110番川崎店の内田が担当します。
どうぞよろしくお願いいたします。

雨漏り診断(散水調査)は、雨水浸入位置を特定するだけでなく、調査結果から補修仕様・計画の選定をしたり、補修工事後の散水検査(散水による止水確認)の基となるため、雨漏りを解決するために最も重要であると考えます。
その一方で、散水調査だけでは、室内に浸出していないため誰にも気付かれていない隠れた雨漏り、いわゆる【サイレントキラー雨漏り】を見落としやすいことも事実です。
今回は、そうした【サイレントキラー雨漏り】の事例をお伝えしようと思います。

木造戸建て住宅のお客様より、雨漏りのご相談があり後日現地調査を行いました。
室内の雨水浸出位置を確認後、外部の雨水浸入位置になり得る被疑箇所をピックアップし、雨水浸入~浸出までの経路の仮説を立てます。
その後、お客様に状況を説明し、雨漏り診断(散水調査)を実施する運びとなりました。

散水調査の当日、事前に立てた仮説に基づき被疑箇所に散水すると、ものの数分で室内に浸出を確認できました。(雨漏りの再現成功)
浸出位置を絞り込むために、さらに散水調査も繰り返し、ほぼ仮説通りの結果になりました。
【ほぼ】と書いたのは、1箇所だけ気になる部分があったからです。

上の写真は、下屋根と外壁の取り合い部分に散水しているところですが、外壁のクラックが怪しいと思った訳ではありません。
下屋根端部の納まりが気になったため散水している状況です。
実は、過去にこの部分を起因とする雨漏りを何件か経験していたので、既存の納まりに『違和感』を感じたのです。
しかし、60分の散水で雨水の浸出は確認できませんでした。

結局その日は、お客様から相談のあった雨水浸出位置4箇所に対し、それぞれ漏水を再現して雨水浸入位置を特定できたので、散水調査としては無事に終了しました。
その後、お客様よりご依頼を頂き補修工事を実施することになったのですが、やはりどうしても気になってしまったので、お客様に相談のうえで、下屋根の破風(鼻隠し)の板金を取り外し、外壁モルタルを斫ってみました。

案の定、長年にわたり雨水がまわって下地の木部が著しく腐食している状況でした。
『壁止まり』と言われる部分(屋根と壁の取り合い部)の納まり(雨仕舞)が原因です。
専用の『壁止まり役物』を現場の状況に合わせて加工し設置しました。
何とか下屋根の屋根材をはがさずに差し込むことができました。

その後、二次防水を補強したうえでモルタルを復旧し、塗装仕上げを行いました。

今回、お客様のご理解を頂いたうえで外壁モルタルを斫ってみた結果、室内への浸出が無く誰にも気づかれていない隠れた雨漏り(=サイレントキラー雨漏り)を発見することができました。
調査の際に感じた『違和感』をスルーせずに良かったと思います。

雨漏り補修工事において雨漏り診断(散水調査)は最も重要で極めて有効な手段と考えますが、経験則や目視・触診による『違和感』も大事な要素になることを改めて感じた案件でした。
これからも自分自身の経験値から感じる『違和感』も大切にしつつ、雨漏りに取り組んでいきたいと思います。

雨漏りでお困りの際は、数多くの雨漏り事例を共有し、経験豊富な私たち雨漏り110番グループにご相談ください。

2019年5月7日
雨漏り110番川崎店
内田博昭

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