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RC造傾斜屋根面からの雨漏り【雨漏り110番さいたま南店】
今回は、RC造シングル屋根面からの雨漏り補修をご紹介させて頂きます。
築33年のアパートで、前回の改修工事から年数がかなり経過している物件です。
状況としては、雨量が多い時に、室内天井面から漏水するとの事です。
天井の蛍光灯の側からの漏水と言うこともあり、入居者さんも心配はされていました。
最近、シングル屋根からの漏水を数件処理していますが、基本的に部分補修は難しいのではないかと思っています。
もちろん、漏水個所が開口部周りであるとか、接合部近辺であれば、調査で見つける事が出来れば、部分補修は可能であるとは思います。
ただ、屋根面のど真ん中で漏水していたりすると、これは見えない部分をピンポイントで探し出すのは至難の業かと思います。
RC造の場合によくありますが、水の入口と出口が近いとは限らず、埋め込みの配管を通って出て来た場合には、入口を探し当てるのはなかなか困難な作業となります。
お客様も中には全体の改修工事は予算的に厳しいという方もいらっしゃいます。
どこかの業者さんに吹き込まれたのかは分かりませんが、全体の改修をためらうお客様に限って、シングル面に塗装すれば雨漏りも止まると勘違いされているように思います。
塗装をした事により、たまたま漏水が止まって、しばらくしてまた漏水しても、再度塗装すれば止まるとのでは、と言う間違った思い込み。
塗装では根本的な解決にはならないので、その辺りはしっかりご説明はさせて頂きます。
今回のケースでは、部屋の真ん中から漏水しているという情報を元に調査に行きました。
水上にあるフィックスの窓廻り近辺も怪しい感じでしたが、シングルも耐用年数をかなり過ぎていたので、この場合は全体の改修しかありませんでした。
仮に、躯体からの漏水ではなく、開口部や接合部から入っていたとしても、いずれ、シングルを含めて改修が必要になることにはなっていたと思います。
通常、産廃等費用面も含め、また工事中の雨養生の問題もある事を考えるとかぶせ工法で提案する事が多いと思います。
こちらの物件も、通例に習い、かぶせ工法でご提案させて頂き、オーナー様にもご了承を得て準備を進めました。
いざ足場を組み、作業を進めていく過程で、予想外の出来事が起こりました。
これにはびっくりしたのですが、ルーフィングが入っておらず、コンクリート直張りになっていました。
最初は端部だけ逃げて張っているのかとも思いましたがまったく張っていませんでした。
直張りで今まで漏水しなかったのが不思議なぐらいでした。
逆に言うと、躯体の精度が良かったと言う事になるかもしれません。
道理で調査時に簡単にシングルが取れる訳です(笑)
大げさに言うと、躯体の上にただシングルが乗っかっているような状態で、これには相談したメーカーからも全撤去でお願いします、との事でした。
かぶせ工法と撤去工法では、費用も違えば、工期も延びるので、これには参りました(笑)。
ましてや、梅雨の真っ只中なのに・・・。
何とかオーナー様にもご理解を頂き、予定工期から2週間ほど延長しましたが無事完了しました。
事前調査はあくまでも、見積を出す調査で、施工が前提とは、自社に依頼が来るか分からない状況では、色々細かく見えない部材の裏側までは正確には確認出来ません。
確かに後で考えれば、調査時に少しシングルをめくった時に、簡単に取れたので、その時点でもう少し注意して調査していれば違った提案も出来たのではと思います。
いかに限られた時間の中で、深く調査出来るか、敏感になれるかが大事な事だと改めて感じさせられた現場となりました。
2019年7月19日
雨漏り110番さいたま南店
川本喜樹