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雨漏りが難しいワケ-1
2015年10月4日(日曜日)
雨漏りの解決が難しいのには理由があります。
しかもその理由はたくさんあるのです。
中でも特に大きい理由が2つあります。
1つめは雨漏りの原因箇所が目に見えない場所にある場合が多いこと、2つめが雨漏りの原因箇所が1箇所とは限らないことです。
1つめに関しては木造住宅において顕著です。
木造住宅は、雨仕舞いの考え方とともに、1次防水・2次防水という二段階防水の考え方をベースに建てられています。
雨漏りが起きるということは、1次防水から浸入した雨水が、さらに2次防水をも破っていることになります。
つまり2次防水に不具合があるということです。
この2次防水の不具合部分が通常は目に見えない場所にあるわけです。
ようするに1次防水によって隠れているのです。
しかも、1次防水における雨水浸入位置と、2次防水の雨水侵入位置(不具合部分)が近くにあるとは限りません。
極端な話をすれば、1次防水における雨水侵入位置が2階の天井ぐらいの高さの場所にありながら、2次防水の不具合箇所が1階の床に近い部分というケースもあります。
この場合、直線距離にして5~6メートルは離れています。
この距離が離れるほど難しくなってきます。
例えば、雨漏り散水調査のセオリーとしては雨水浸出位置に近いところから攻めることになります。
そうすると必然的に、実際の雨水侵入位置に到達するのはかなり先になります。
散水調査によって1次防水における雨水侵入位置を特定するまでに相当な時間が必要となります。
また、1次防水と2次防水の雨水侵入位置が離れているということは、雨が降ってから雨漏り具象が発生するまでに相当なタイムラグがある可能性もあります。
1時間~2時間程度のタイムラグなら良いですが、3時間とか4時間とタイムラグがある雨漏りの場合は、調査がたいへん難しくなります。
通常の木造住宅の雨漏り調査の場合、1箇所の被疑箇所に対して1時間半程度の散水時間がスタンダードですので、タイムラグが大きな物件の場合、雨漏り具象の再現に至らずに迷路に迷い込んでしまうこともありがちです。
これらは雨漏りの原因箇所(2次防水における雨水侵入位置)が目に見えないことによる難しさと言えるでしょう。
※RC造や鉄骨造の場合は2次防水の概念がないので少し違ってきます。
思いのほか長文になってしまったので、2つめの【雨漏りの原因箇所が1箇所とは限らない】については、また次回。
それでは。
伝説の雨漏りハンター
唐鎌謙二
僕の著書です。→『自分を磨く「嫌われ仕事」の法則』
音声でもお聴きいただけます。→オーディオブック版はこちら
日常の活動状況ブログは日本外装株式会社 社長・唐鎌のブログ。
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