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「基礎に水染みが・・・もしかして雨漏り」【雨漏り110番茅ヶ崎店】
本日のコラムは、雨漏り110番茅ケ崎店の禧久が担当させていただきます。
よろしくお願いいたします。
今回は、私がベランダ防水を施工させていただいている建築会社でおきた雨漏り疑惑についてお話させて頂きます。
「基礎部分に水染みのような跡があるのですが、現場調査にご一緒して頂けないでしょうか?」私がお付き合いさせて頂いている建築会社の現場監督から連絡がありました。
連絡時にいただいた写真です。
後日、現場調査に同行してみると確かに玄関横の基礎部分に水染みのような跡があります。
新築木造二階建て住宅(在来工法)、新築お引渡し後6ヵ月くらい経過しています。
お客様のお話を伺うと、お引越しされて少したったころ基礎の水染みに気が付き、その後少しずつ大きくなったように思う。とのことでした。
その時の雑談の中で、この家の上棟式の後、大雨が降ってとても心配だったと話されていました。
水染みをよく見てみるとコンクリートのクラックなどから水分が出たときに出来るエフロレッセンスが、まだうっすらですが出来てきています。
基礎の内部から水分が出てきているのは、間違えなさそうです。
建築図面を見せて頂き、給水や排水などの設備配管、エアコンの室内配管からの漏水などが無いか確認させて頂きましたが、1階・2階ともに水染み近くに原因になりそうなものはありませんでした。
外壁はサイディング張りでシーリングもしっかり施工されています。水染みの近くには窓や換気口などの開口部も無く一つ有るコンセントボックスも開けて確認してみましたが問題はなさそうでした。
軒天井があるお宅ですが現場監督の話では透湿防水紙も軒天の上まで貼り伸ばしてあるそうです。水切りも水染み近くにつなぎ目などもなく基礎へのかぶりも問題なさそうでした
。
点検口(床下収納庫)から基礎内部も見ましたがその他の水染みなどは確認出来ませんでした。
しかし水染みの出来たところの裏側は玄関の土間(室内で床を張らずに土足で歩くように作られたところ、床に上がる前に靴を脱ぐところ、ほとんどがタイル仕上げ)で基礎の中は確認できませんでした。とここまでが現場調査までの情報です。
現場調査でしたが建築会社からの相談だったため、事前にお客様の了承を頂き基礎巾木を剝がしてみました。基礎の表面を出さないと、どの位置から水が出ているか、クラックの有無なども確認出来ません。
一般的な住宅の基礎には美観のため基礎巾木(基礎の上に塗る仕上げモルタル)がぬってあります。
基礎巾木を剝がし基礎の表面が出てくると、はっきり分かった事が2つありました。
1:基礎のベース(平らな部分)と立ち上がり部分の打ち継ぎ(コールドジョイント)から、水分がにじみ出ている。
2:水抜き穴が設置されていたが、詰まっていて基礎内の水分が排泄されなかった。
貫通すると中に残っていた雨水が排出された。
現場調査の結果と基礎の表面の状況から、今回の水染みの原因を考える。
その1:給排水設備や空調設備による漏水ではない。
その2:雨漏りによる雨染みの可能性は低い。
その3:上棟式後、雨水が入らなくなるまでに、大雨が降った。
その4:玄関基礎部分の水抜き穴が詰まっていた。
その5:基礎の水染みの裏側は玄関の土間部分。
以上のことから、この水染みの出来たメカニズム(仮説)を推測してみます。
上棟式の後、屋根や壁、建物の二次防水が出来上がる前に大雨が降り、玄関土間部分の基礎内部に雨水がたまってしまった。普通ならば水抜き穴から排出され、自然に乾燥するが水抜き穴が詰まっていたため排出されず、工事関係者は誰も気が付かず工事が進み、基礎巾木の施工も引き渡しの前に仕上げられるため、そのまま引き渡しが終ってしまった。玄関の土間内部にたまった雨水が時間の経過とともに基礎打ち継ぎ部分(コールドジョイント)から染み出てきたものと推測します。
※木造住宅の基礎は玄関の土間部分だけ立ち上がり部分が途切れていないことが多いです。
それは玄関の土間部分の仕上げタイルの下地のコンクリートを打設するためです。タイル下地の高さが高いためコンクリートの下に砕石や砂利などを入れ嵩上げした上にコンクリートを打設することが多いです。砕石部分に雨水が溜ったと推測します。
今回の水染みの出来たメカニズムの推測をお客様にお話しさせていただき、玄関土間内部の水分が無くなるまでの乾燥期間、その期間の雨染みの変化でその他の要因がないかも検証していくことを了承いただき、今回の現場調査は終了となりました。
経過情報と工事内容は次回のコラムでご報告させていただきます。
2019年9月21日
雨漏り110番茅ケ崎店
禧久貴徳