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台風が原因で起こる雨漏りについてのお話【雨漏り110番小平店】

2019.11.04 プロフェッショナルとして,業者の選び方,正しい知識,応急処置,雨漏り職人,台風,雨漏りに取り組む,コラム

本日の雨漏り110番コラムは雨漏り110番小平店の米澤が担当します。
よろしくお願い致します。

秋もだいぶ深まってまいりました。
以前は10月となれば「衣替え」でしたが、今年も10日過ぎまでは気温が30度を超えるような暑い日もあり、秋冬物に着替えるにはまだ早いように感じておりました。しかし流石に11月となりますと日も短くなり、ここにきてようやく晩秋を感じるようになりました。

秋といいますとスポーツの秋や芸術の秋のように「○○の秋」などという言い方をします。例えば他に、読書の秋や実りの秋、収穫の秋、食欲の秋などもよく言われるところではないでしょうか。

その中でも今年の秋はやはり「スポーツの秋」だったのではではないでしょうか。今年はラグビーやバレーボールのワールドカップが日本で開催されて、日本中が盛り上がりました。ラグビーでは日本代表が強豪国との激戦を制し、悲願の決勝トーナメント進出を決め、なんとベスト8入りを果たしました。また、バレーでも男子が4位、女子が`5位という健闘を見せてくれました。スポーツによって多くの人々が感動し、勇気と元気を与えられたことは記憶に新しいことと思います。

また一方で今年は「台風の秋」であったともいえるかと思います。関東に接近し千葉県に上陸した台風15号の爪痕がまだ深く残っている中で、その後に襲いかかった大型台風19号は東海、甲信、関東、東北といった広い範囲で猛威を振るい、河川の氾濫や決壊、土砂崩れ、そして停電、多くの地域で甚大な被害をもたらしました。
被災した地域が復旧・復興するまでには長い時間が掛かる事になると思います。被害に遭われた方々に心よりお見舞い申し上げます。

さて、台風が過ぎますと「雨漏りしたので見て欲しい」というお問い合わせの連絡が増えてきます。特に台風による雨漏りは漏れる量も多く、緊急性の高い場合もありますので「すぐに来て欲しい」という声が多くなるのは当然のことです。しかし残念なことに、雨漏りの緊急対応はとても難しいことなのです。ましてや台風となると尚更です。そこで本日は台風の雨漏りについてお話ししたいと思います。

【台風の特徴その1】

台風は強い雨と強い風という2つの特徴があります。普段は雨漏りしないけれど台風の時になると雨漏りが発生する、というような場合はこの台風の2つの特徴が強く影響していると考えられます。

1つ目の特徴である強い雨が影響する場合についていえば、一時的に雨量が増えることによって排水能力の限界を超えてしまい、雨水が溢れ、雨漏りが発生するということがあります。

例えばバルコニーの排水ドレン、一度に大量の雨水が集中し排出しきれなくなりオーバーフローを起こして、サッシや水切りの裏へ水が廻り雨漏りが発生ということになります。または、排水管の中で継目から逆流し雨漏りが起こるというような例もあります。
軒樋でも同じ様に、排水しきれなくなりオーバーフローした雨水が軒先から裏へ廻り雨漏りが発生するということが起こります。

この写真は台風時に起こった雨漏りの現場確認にお伺いした時のものです。
雨水は1階の天井から浸出し、お伺いした時は天井のクロスがふやけて一部が剥がれかけておりました。
雨水浸出位置のすぐ上が写真のバルコニーとなります。こちらは台風による多量の雨でバルコニー床の水嵩が増し、サッシの下端より雨水が浸入し雨漏りが発生した例だと考えられます。

雨量が多いことを原因とする雨漏りは、ゲリラ豪雨のように一時的に強い雨が集中して降る場合などでも起こることがあります。

こちらの雨漏りも雨量が多い時にバルコニー床の水嵩が増し、サッシ下端と防水層の取り合いより雨水が浸入した例だと考えられます。一度に大量の雨水が浸入し、天井材の一部が落ちてしまっています。

この2つの例のような場合は雨量が多いことが原因となるメカニズムで起こる雨漏りなので、雨量の少ない普通の雨では漏れないということになるのです。大量の雨による雨漏りですから漏れる量も多いため、お客様もびっくりされて慌てて業者を探すという状況になってしまう訳です。

【台風の特徴その2】

次は2つめの特徴である強い風が原因となる場合です。
「屋根の棟板金や瓦が飛ばされてしまった」ということが原因で起こる雨漏りの場合は、いうまでもなく台風の強い風が原因です。今日のお話しではこうした事例には触れないことに致しますが、こうした事例の解決策は出来るだけ早く壊れた箇所を直すしかありません。しかし、修理は危険を伴うことになりますので、緊急対応は施工業者でさえ難しいことだとご理解下さい。また、だからといってご自分で屋根に上って修理しようなどとはお考えにならないようにして下さい。

強い風が引き金となる雨漏りでは、壁が雨水の浸入口となっている場合や、普段ならば水が掛からない様な場所が浸入口となっている場合があります。強い風が原因となる雨漏りでは、風の向きによっては発生する時としない時があるという特徴もあります。私が担当したコラムで最初にご紹介したお話も「東からの強い風を伴う雨の時だけ雨漏りが起こる」という事例でした。

壁からの雨漏りは壁を細かくチェックすることで、壁に発生しているひび割れ(クラック)やシーリングの破断であったり、貫通部や開口部の何かしらの不具合であったりと比較的容易に被疑箇所を見付けることが出来ます。そしてそれらの箇所にシーリングや防水塗装を施すことで一時的に雨漏りを止めることが可能となります。強い風が原因で起こる雨漏りで特に難しい事例は普段水が掛からないような所が浸入口となっている場合です。

先程挙げた事例でいえば、外壁のクラックも侵入口になっていたのですが、最終的に一番大きな原因となっていたのは2階サッシの雨戸の戸袋の中という普段ならば水の掛からない場所でした。

他には屋上やバルコニー手摺の笠木、換気扇や換気ロのフード、こうした箇所に下から水が掛かり浸入口となってしまい雨漏りするというケースもあります。

これらの筒所はもともと通気や換気の為に開けている所ですので、散水調査で直接水を掛ける訳にもいかず原因究明が難しい場合があります。
逆をいえば下から水を掛けたなら必ず水が入ってしまう所なので、こうした箇所が原因と思われる雨漏りの場合は、より雨水が入り難いように設計された部材に変更し解決することが望ましいと考えます。

このような丸型フードは強い風を伴う雨の時に雨水の侵入口になってしまいます。

【最後に】

台風で起こる雨漏りを強い雨と強い風という2つの特徴に分けて考えてみました。
当然ですが実際の台風では両方の特徴が同時に起こっている訳ですからもっと複雑な原因で雨漏りが起こっている場合も想定されます。
雨漏りが起きてしまうと不安で心配なことかと思いますが、台風の時だけ起こる雨漏り(普通の雨では漏れない)ならば常に雨水が侵入してしまうことはありません。慌てずにしっかりと原因を究明してから、適切な修理を行なうことをお勧めします。

地球温暖化の影響もあり、この先に発生する台風はさらに大型化し、勢力が衰えないまま日本列島に接近・上陸することが予想されるという意見もあるようです。当然、台風が原因の雨漏りも増えてくることになるのでしょう。

雨漏り修理は安易に考えていると危険を伴うことになります。雨漏りしたからといって直ぐに、ご自身で無理をして屋根に上ったり、梯子で外壁を確認したり、ということが無い様にお願いします。特に濡れた屋根は滑りますし、風が強いうちは梯子が倒れることもあります。ご注意願います。

2019年11月4日
雨漏り110番小平店
米澤義則

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