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私がなぜ雨漏りの仕事に携わるようになったのか【雨漏り110番静岡店】
本日の雨漏り110番コラムは雨漏り110番静岡店の府川が担当します。
よろしくお願いします。
このたび、雨漏り110番コラムを交代で執筆することになりました。
これも雨漏り110番を知って頂くために必要なことと考え頑張って書かせて頂きます。
先ず、私がなぜ雨漏りに関する仕事に携わる事になったのかを書かせて頂きます。
私が最初に勤めた会社が防水と塗装を主に手掛ける会社でした。
ある時は浜岡原発のタービン下でいろいろな計測機器を身体に付けて床塗りをし(ここでの体験をいま語るといろいろと問題になるかもしれませんね・・・怖)、ある時はNTTの地階でモグラのような環境で地下水を止水し、又ある時は、マンションや学校の屋上で冬は寒風吹きすさぶ中、夏は干物のようになりながら防水工事をしていました。
防水に関するいろいろな仕事をする中で、『止水』というお仕事がある意味一番大変だったと思います。このコラム内でいう『止水』とは簡単に言いますと、部分的に噴出又は滴下する水を止める工事です。止水にも地下の止水と地上の止水があり、特に地下の止水は大変です。地下には常に地下水が流動しており、ある一部を止水するとすぐ脇の弱い箇所から水が漏れてきます。
その弱い箇所を止水すると又次の弱い箇所から漏ってきます。要するに【いたちごっこ】なわけです。なので、止水工事をする前には事前に施主様に「この工事は止まらない可能性がありますがそれでも宜しければ工事させて頂きます。」とお伝えしてから実施するのが常でした。
かと言って、いい加減なお仕事は出来ません。曲がりなりにも数十万、時には数百万円のお仕事をさせて頂くのですから、最善の努力はさせて頂きます。もしいい加減な仕事をしていれば当然信用は無くなり次のお仕事が来なくなるのは自明の理です。
ではなぜそんな博打のような仕事を施主様は依頼をするのでしょうか?
これは単純に【時間とコスト】の問題です。
建物が雨漏りをする時点で設計上または施工上の不備がある事は皆様お分り頂けると思います。(これ以外の要因として経年劣化が加わりますがこの事は現時点では含みません)
建物の設計、施工が完璧ならば雨漏りはする事はありません。ですが、人間が完璧でない生き物である以上、完璧な建物などあるはずもありません。技術もそうですね。日進月歩で時代とともに進歩はしても完璧な技術などありません。ですが、お金を頂いてプロとして責任あるお仕事をする以上、現時点で出来る完璧を期す努力はしなければならないし、するべき事です。
では、完璧を目指す場合、施主様目線で事を考えた場合にはどのような選択があるでしょうか?
この日本に於いて現時点で完璧を目指した建物を作ろうとした場合、最適なのは日本で一番クレームの少ない設計事務所に依頼し、日本で一番クレームの少ない建築会社に依頼をするのが一番でしょう。これらの会社に依頼したい場合問題になるのは何でしょうか?
先ずは、上記の条件に適う会社を探し出すことです。ここで簡単には探し出せませんから、このような会社を紹介してくれる情報機関を探し出すことになります。この時点で【時間とコスト】が掛かりますね。次に問題になるのは何でしょうか?これらの会社がクレームが少ないのは完璧を期す仕事の仕方をしているからクレームが少ないと仮定した場合、完璧を期す訳ですから、【時間とコスト】が掛かるのは致し方ありませんね。
仮に上記の条件に当てはまる会社を探し出せて、その会社に依頼することができたとしましょう。探し出すのにどの程度時間を費やせますか?どの程度コストを掛けられますか?
完璧を期すためにする設計業務にどの程度の時間を待てますか?どの程度コストを掛けられますか?完璧を期す施工する為にどの程度工期を掛けられますか?どの程度コストを掛けられますか?
では、上記の会社に30坪の住宅を建てる場合と仮定して見積を依頼したとしましょう。ここまでに掛けた時間は一般的には6~12カ月が相場でしょうか。分譲宅地なら3ヶ月程度かもしれませんね。価格はどうでしょうか。現代の相場は坪当たり60~100万円程度が一般的だとしましょう。これが仮に上記の会社に依頼した場合、12~24カ月掛かるとしたらどうでしょうか?坪当たり120~200万円掛かるとしたらどうでしょうか。完璧を期すのだから相場の2倍程度は掛かるというのはある程度現実的な話だと思われませんか?
実際には地盤の問題も絡んできますし、その土地代も絡んでくる話ですのでここも完璧を期せば一体いくら【時間とコスト】が掛かるんだという事ですよね。
ここまで話が進むと国の施策の問題や各々の思想、価値観等も絡んでくる事になりますので、ここまでにさせて頂きます。
上記の話は現実にはあり得ない話ではあると思いますが、あくまで理想を追求した場合の極端な例だと改めて申し上げたいと思います。
ここまでで私が何を言いたいか分かって頂いたと思いますが、問題になるのは【時間とコスト】です。
この経済活動をせざるを得ない現代社会で生活する以上、この問題は避けて通れないものですよね。私も勿論そうですが、常に判断しなければならないのは時間とお金の問題です。
かなり遠回りな説明をしてしまいましたが、再度先ほどの問いに戻ります。
ではなぜそんな博打のような仕事を施主様は依頼をするのでしょうか?
これは単純に【時間とコスト】の問題です。
上記の条件がなければ、何も欠陥といえる建物に住む又は使う必要はなく、新しく欠陥のない建物に建て替え又は住み替えればよいでしょう。
しかし、現実的にはそんな事は不可能な方が殆どだと思います。
先ほど経年劣化の問題は含まないと申し上げましたが、現実的には築後12~15年程度で修繕工事や改修工事をしなければならないのが、現代の建物の耐久性です。ここでもコストが掛かります。
国民の働く世代の大半がサラリーマン世帯であるこの日本に於いて、生涯賃金がある程度予測がつく中で建物だけに一体どれだけの時間とコストが掛けられますかという話ですよね。
財団法人住宅紛争処理支援センター等のトラブルで最も多いのは雨漏りという結果になっているようです。それだけ、建物を建てたけれど雨漏りするというケースは後を絶たないという事です。そこで我々のような雨漏りを専門に解決するような会社が必要になるのです。限られたコストの中で施主様の問題を出来るだけ早く解決する。それが我々雨漏り110番の使命です。
又、雨漏り修理をしてもらったが止まらないというケースを我々はたくさん見聞きしています。原因を推定して補修工事をしても、その推定が外れたものならば補修工事代金はドブに捨てたようなものです。
そこで我々が最も大事にするのは、【雨漏りの原因を先ず突き止める】という調査工事です。
調査工事にもいろいろな方法があります。色をつけたガスや水で調査する方法、赤外線カメラで調査する方法などがありますが、決定打といえる方法はなく、調査員の経験や能力によるものが殆どです。では我々が行っている調査方法は何かと申しますと、雨が浸入したと考えられる箇所に水を掛けて、室内に漏るかどうかを確認しながら行う『散水試験』を採用しています。
原始的な方法ですが、この方法で今までたくさんたくさん雨漏り原因を突き止めて来ました。
もちろん、人間の行う事ですから我々とて完璧ではありません。1000件あれば1件は原因が分からない場合もあります。しかし、諦めずに原因を追究しています。その努力や誠意が雨漏りでお困りの方への貴重なデータとなるのです。そして雨漏りでお困りの多くの方々への問題解決の知恵となるのです。
最後は何か偉そうな文章になってしまい恐縮ではありますが、こんな想いで雨漏りに対するお仕事をさせて頂いております。
正直に言えば面倒な部類のほうに入る仕事です。
仕事として儲かるかと言われれば儲かるとは言い難い面もあります。
それでもお困りごとを抱えて我々を頼ってお仕事を依頼して頂いた方々の問題解決を少しでもお手伝いしたい、何とかお助けしたい、それが人として正しい価値観なのではないかというほんの少しの正義感でお仕事をさせて頂いております。
これが私が今書ける雨漏りに対する想いです。
稚拙な文を最後までお読みいただきありがとうございました。
今後とも雨漏り110番を宜しくお願い致します。
2019年2月24日
雨漏り110番静岡店
府川岳広