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バルコニー・屋上防水 ドレン(排水口)からの雨漏り事例【雨漏り110番茅ヶ崎店】

2019.04.22 建物のメンテナンス,建築構造・建築施工,防水工事について,雨漏り修理,雨漏り修理の方法,雨漏り事例,雨漏りに取り組む,コラム

本日の雨漏り110番コラムは雨漏り110番茅ケ崎店の禧久が担当いたします。
よろしくお願いいたします。

前回のコラムでは、新築木造住宅ベランダのFRP防水が出来上がるまでをご紹介させて頂きました。
今回は、木造住宅ベランダ・屋上に多い雨漏り事例をご紹介してみようと思います。

木造住宅で施工されているFRP防水は、シームレス(つなぎ目のない)で非常に強い防水ですが、雨漏りが多い部位が2箇所あります。
一つは、排水ドレン(排水口)廻りの雨漏り、もう一つはバルコニー出入口のサッシ廻りの雨漏りです。
2箇所ともFRP防水と他部材の異種接合部となります。

排水ドレン廻りは、既製品のドレン(排水口)とFRP防水層の接合部分です。
サッシ廻りは、バルコニー・屋上などの出入口のサッシとFRP防水層の接合部分です。
この他部材との接合部の施工不良による剥離・剥がれの雨漏りがとても多いのです。

今回は排水ドレン(排水口)廻りからの雨漏りをいくつかご紹介させて頂きたいと思います。

1. 排水ドレン廻りピンホールからの雨漏り

この雨漏りは、排水ドレン廻りの樹脂不足によるピンホールと、目荒らししなかったことが原因と考えられる剥離による雨漏りと思われます。
雨漏りにより下地の防火板も濡れてしまっていたので交換し、排水ドレンはドレン内部に巻き付けられるタイプのドレンに交換しFRP防水を施工いたしました。

2. ステンレスドレン剥離による雨漏り

この雨漏りは、ステンレスドレンとFRP防水の剥離による雨漏りです。
今は使いませんが、30年ぐらい前、既製品の良いドレンが無かった頃は、板金屋さんの手作りのドレンが使われていました。
また、FRP防水が主流になる前は、ステンレス板による防水も施工されていました。

金属とFRP防水の密着性は良くありませんので、雨漏りした場合は新規ドレンと交換するのが基本です。
どうしても交換できない場合の施工方法は、剥離部分を撤去し、ステンレスドレン接合部分を機械を使ってしっかり目荒らしたうえで、金属プライマーを塗布してからFRP防水を施工します。

3. ドレン取り付け方の間違いによる雨漏り

この雨漏りは防水工事の施工者が排水ドレンの取り付け方を知らないために起きてしまったと思われる雨漏りです。
2番目の写真でわかりますが、塩ビドレン(塩化ビニール製ドレン)のツバの上部がモルタルと同じレベルになって見えてしまっています。
FRP防水の排水ドレンはどんな場合でも排水ドレンの上からFRP防水を密着させます。
この写真のようにドレン上部が見えてはいけないのです。
この写真の場合はFRP防水の上に排水ドレンを置いただけの状態です。

また、このタイプの塩ビドレンは、ゴミ除け目皿がねじ込み式のため、ドレン内部にFRP防水を巻き付けられません。
防水層との密着部分がツバの部分だけでとても小さいため、ツバをFRP防水で挟み込む施工でないと雨漏りしやすいドレンです。

この現場は、バルコニーの下が居室(和室・敷目天井)で、1階天井の内でドレンと排水管を接続していました。
ドレン交換するためには、1階の天井を壊さないといけない構造です。
しかし、幸いにもぐらつきやドレン高さの不具合が無かったため、既存ドレンを使って補修することができました。

既存ドレンを使った補修方法ですが、ねじ込み式のごみ除け目皿を取り、ねじ山を溶剤で洗浄、ワイヤーブラシなどで目荒らししてプライマー塗布、ネジ山や隙間などはポリエステルパテ処理をしたうえでドレン内部にFRPを巻き付けて施工します。
さらに、ごみ除け目皿は新しい物に変えます。

今回のコラムでは排水ドレン廻りの雨漏りを3つご紹介させて頂きましたが、3つとも施工者の知識不足、施工不良が原因の雨漏りでした。
排水ドレン廻りの雨漏りだけでも、ドレンの種類、施工の方法など、いろいろな原因の雨漏りがあり全てを紹介しきれませんが、少しでも誰かのお役に立ち、一軒でも雨漏りが無くなれば幸いです。
マニアックなコラムに最後までお付き合い頂きありがとうございました!

2019年4月22日
雨漏り110番茅ケ崎店
禧久貴徳

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