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~個人住宅の施工不良による雨漏り事例 2~【雨漏り110番熊本北店】
本日の雨漏り110番コラムは雨漏り110番熊本北店の木付が担当します。
宜しくお願い致します。
本日のコラムは前回担当した3月13日のコラム
~ 個人住宅の施工不良による雨漏り事例 1~ の続きとなります。
前回はこのお宅の1階部分の雨漏りについてでしたが今回は2階部分の雨漏りについてです。
2階の雨漏りは風が強いときにのみ起こることをお聞きしていたのでそれを踏まえての調査でした。
[調査]
雨漏りの位置や見た目から2階屋根のケラバが怪しいと思い散水調査を開始しました。
(赤い矢印で指している黒い部材がケラバです)
まずは上から散水しましたが30分しても雨漏りは再現できず風が強いときに雨漏りがおきるということでしたので散水の方向を変えて横方向からケラバに散水を行いました。
散水開始から15分ほどして室内にて水滴を確認することができお客様にも現状を見てもらいいつもの雨漏り状況と同じことを確認頂きました。
いつも通りの雨漏りを再現できたことにより、2階の雨漏りの雨水浸入位置は、やはりケラバ部にあると特定しました。
場所が特定できたので次は原因の究明です。
[原因]
まずケラバを正面から見てみると
ケラバ自体が壁側の左下がりになっていることが分かります。
本来なら水平かすこし屋根側に勾配があった方が好ましいです。
ケラバの出がなく壁と同面なのも雨漏りには危ないポイントです。
写真は継ぎ目部分の拡大です。
左下がりになっており継ぎ目がうまく合っておらず隙間が空いていることが分かります。
少しの隙間からでも雨水は侵入してしまいます。
次にケラバを下から覗いた状況です。
釘はコンパネに打ってあるのみでほとんど効いておらずグラグラの状態でした。
本来マニュアル通りの施工ならコンパネの上にのぼり木を取り付けその後ケラバを施工しのぼり木にしっかりと釘を効かせます。
先ほどの壁側が下がっているのも中にのぼり木を入れてなかったからだと思います。
また極端に壁へのかぶりが少ないのも見てわかります。
最小のところでケラバの下端と壁の上端がほぼ同面のところもありました。
かぶりが少ないともちろん雨は吹き込みやすくこれが1番の原因だと思いました。
お客様に原因・補修方法をご説明しご納得頂けたうえで補修作業を行います。
[補修]
コロニアル側の雨水が流れる部分を残しケラバを切断及び撤去した、外下がり防止のためのぼり木を取り付けます。
その後かぶりをしっかり確保した板金を加工し取り付けました。
補修途中継ぎ目の内部も一応確認しておこうとコロニアルを剥いでみたら
とても簡単に折られていてハゼはしっかりと潰してありました。
これでは雨量が多いときにハゼを越えてきてしまいます。
1度伸ばしハゼ同士を組み合わせた状態です。ハゼは完全に潰さないことで返しの役割をしますし雨水もまっすぐ流れ落ちます。
ちょっとしたことですが当たり前のことをきちんとしておかないと雨漏りに繋がります。
復旧後、横から下から角度を変えて散水試験をし、再発がないことを確認して無事に工事完了となりました。
雨漏りは経年劣化だけでなく最初の施工の段階できちんとした工事が行われていないことで起きる場合もあります。
原因をしっかり突き止めて補修しないといくら工事をしても雨漏りは止まりません。
被害が大きくなる前に、何かおかしいな?気になるな?と思ったら、雨漏り診断士に相談してみましょう!!!
2019年4月24日
雨漏り110番熊本北店
木付悠太