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鉄筋コンクリート造、出窓下の床に雨漏り 雨漏り診断士の目利き【雨漏り110番松戸店】
本日の雨漏り110番コラムは、雨漏り110番松戸店の高松が担当いたします。
今回ご紹介する事例は、鉄筋コンクリート造の建物で、出窓下の床に水がたまるという雨漏りです。
通常の雨では雨漏りはしませんが、長い時間降っている時などは、床に雨が溜まってくるとの事です。
雨漏りの量は(床に溜まる量は)、1.5Lぐらいは溜まっていたと思うとの事でした。
ただしタオルで吸い取ってしまったので、正確な量はわかっていません。
雨が止んだら、床に溜まる雨水の広がりは止まった気がするとの事でした。
夜に漏れだしてきたので少し慌てた、とおしゃってました。
幅木上の壁に黒いシミ跡がうっすらと見受けられます。
クロスの裏にカビが発生しているのかもしれません。
水分計で壁の含水率を測ってみると、11.4%を表示します。
この壁は石膏ボードの上にクロスを貼ってあるので、通常水分は含まれていない状態です。
念のためサーモグラフィーカメラで表面温度を測定しましたが、著しい表面温度の変化は確認できませんでした。
漏れている室内側の確認や、お客様のヒアリングを行った後に、外部から現状を確認していきます。
雨漏りしている部屋は4階ですが、傾斜地に建っているマンションの為、2階建てと同じくらいの高さです。そのため梯子で出窓を確認することができました。
出窓廻りの疑わしい所を確認していきます。
外壁と出窓の取り合い部や、サッシ下のヒビ割れなどは特に疑わしい部位なので、慎重に確認します。
その他にもサッシ上枠と出窓庇下部には違和感を感じます。
下の写真をご覧になっていただくと、出窓庇下部のコンクリートの下に水切りがないことがわかります。
出窓の天端から垂れてくる雨水は、切れずにサッシまで到達します。
サッシ廻りのシーリング材が健全な状態であれば雨水は浸入しませんが、シーリング材が劣化してくると浸入する可能性も考えられます。
水切りがない、つまり水の流れの連続性を断ち切る形状になっていないので、違和感を覚えたのだと思います。
さらに、サッシ水切り出隅部分ジョイントのシーリング材は剥離しており、この裏に雨水を浸入させてしまう状態です。
その下のひび割れから水が垂れた跡もあることから、なおさら雨水の浸入を疑います。
なぜならシーリング材の剥離から入った雨水が、内部で爆裂を起こして、ひび割れが発生している可能性が考えられるからです。
他にも、出窓の天端と外壁の取り合い部やコンクリートの打継目地部分、さらには屋上の防水など様々な部位を確認していき、どこから雨水が浸入しているのかを想定し仮説を立てていきます。
今確認した被疑箇所で、どこが最も疑わしい所なのか?
被疑箇所全てに散水すればいいのでしょうが、時間と費用がかさんでいきます。
「ここに散水して再現できたら、こことここは修理の範囲になるな」などと考えながら散水をする位置を絞っていきます。
今回は、6箇所を被疑箇所として考え、散水調査をする計画を立てます。
特に疑わしい部位としては、サッシ水切り出隅部のジョイント及びその下のひび割れ部です。
計画を立てた後は、実際に散水調査を行って原因の究明をしていきます。
散水調査によって、雨漏り原因を特定することが、雨漏り解決のためには一番重要になります。
雨水浸入位置を探し出さなければ雨漏りを解決できませんので、散水調査によって普段通りの雨漏りを再現させることが重要です。
ここで一度立ち止まって考えてください。
雨漏りを解決するためには散水する位置を決めることが一番重要であることに気が付くと思います。
そうなのです、散水調査は、その行為だけを見れば、ただ単に建物に水をかけている作業です。
誤解を恐れずに言えば、雨漏りの専門家でなくても水をかけるという作業はできます。
だからこそ、どこに散水をするか、という「どこに」を決めることが、雨漏りの専門家である、雨漏り診断士の腕の見せ所になるのです。
まさにそれがプロの目利きです。
繰り返しになりますが、雨漏りしている原因を探し出すことが一番重要です。
さらにその原因を探し出すためには、プロの目利きであるどこに散水を行うのかを決めることが重要になります。
雨漏りでお困りの時には、雨漏り診断士の目線で原因箇所を追求する雨漏り110番グループにご連絡ください。
2019年(令和元年)5月10日
雨漏り110番松戸店
高松洋平