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雨漏り調査がきっかけで、長いお付き合いに!2【雨漏り110番都筑店】

2019.05.25 プロフェッショナルとして,正しい知識,建物のメンテナンス,建築構造・建築施工,雨漏りあるある,雨漏り事例,雨漏りに取り組む,コラム

本日の雨漏り110番コラムは雨漏り110番都筑店の津嶋が担当します。
よろしくお願いします。

前回4月13日の「4年間で都合4回のご相談を受けた賃貸中古マンション」のコラムの続きになります。
雨漏り調査がきっかけで、長いお付き合いに!【雨漏り110番都筑店】
前回は、2回目までお話しました。

おさらいすると中古購入した賃貸マンション(当時築16年)の1階天井に大量の雨漏り。
これは、直上階のベランダ外壁にあるエアコン冷媒管引込口からの浸入でした。

2年後に同じ1階天井から再び漏水が起きましたが、これは直上階の賃借人がユニットバスの排水管を詰まらせたからでした。

さて、この過失漏水事件からちょうど1年後の12月に3回目のオファーがありました。
最上階の賃借人より天井クロスにカビやシミが発生しているとのクレームがあり、現状確認してほしいとのことです。
その連絡を受けた時に、これは屋上の防水層からだとの予感がありました。
それは、3年前の雨漏り調査時にも屋上の状態を見ており、かなり経年劣化しているという印象を持っていたからです。

天井クロスにカビやシミなどの雨漏り痕跡が残っているケースでは、赤外線カメラが威力を発揮します。翌日にこれを持って現状確認に行きました。

肉眼でも、天井クロスの一部にカビやシミがあるのが見えます。
さらに赤外線カメラで観察すると、目視確認したよりもずっと広い範囲で、水漏れ痕跡を確認出来ました。
当時は12月でエアコン暖房が入ってますから、高温部(白、赤)も見えます。

次に、屋上を確認します。
アスファルト防水・押えモルタルです。
目地には植物も生えています。
当時で、築19年経過していましたので、よくぞ持ったなぁというところでしょうか。

オーナーさんには、屋上防水は耐用年数を大幅に超えているので、散水調査をするまでもなく、これを機会に改修工事をされた方がよいと提案しました。

オーナーさんもすぐに決断され、工事業者は㈱日本外装さんにお願いしたいとの御指名がありました。
㈱日本外装さんは、これまでの2回の工事にて、絶大なる信用を得ています。
私も安心してお任せできます。

雨漏り110番川崎店の内田さんに、みたびご登場願うことになりました。
内田さん!! その節は大変お世話になりました。

この建物は、これでは終わりませんでした。
それから半年後の夏にまたしてもオーナーさんより電話が入りました。
これまで3度の水害に会っている陶芸教室ですが、今度は別室の天井から大量の漏水が発生しているとのことです。

しばらく雨が降っていない状況で突然発生したのは、給水管しかないと考えられます。
雨漏りではないので水道屋さんに相談した方がいいとアドバイスしました。
しかし、オーナーさんは、水道屋さんも手配するが、私にも立ち会って現場を確認してほしいとのこと。
翌朝、行ってみたところ、現場は、それはもう修羅場でした。

漏水は、天井のあちらこちらから、まるで試練を与えるかのように慈悲のかけらもなくこぼれ落ちていました。陶芸教室の先生のお気持ちはいかばかりかと、気の毒になります。

丸二日間、水を吸った天井ボードは水でふやけて柔らかくなっています。
天井ボードは交換せざるを得ないので、断わって穴を開けて天井裏を観察してみました。
天井裏には、配管設備がありますが、その配管からの漏水ではありません。
コンクリートスラブに張られている木毛板がびっしょり濡れています。
これで、上階の床下配管からの漏水であることが分かります。

途中から合流した配管業者さんと、その後の追跡を行います。

直上階は、陶芸教室の先生が居室として使っています。

まずは、水道メーターを確認することにしました。
わたしは、水道メーターのパイロットがクルクル回っているものと決めつけていました、しかし、それは一定の間隔で回ったり、止まったりするのです。

もちろん、二階の水道関係は使用停止状態での確認です。
配管業者さんは、このような現象は、給湯器の配管系統の漏水からだと断定しました。
給湯器には、一定の水量まで水を蓄え、ある水位より下がると自動的に給水されるとのこと。
このために、間欠的にパイロットが回るとのこと、さすがは「餅は餅屋」だと目からウロコでした。

給湯器は、ベランダ側の外壁に設置してあります。
調査屋の性としては、さて床下の給湯配管のどこから漏れているのかと追跡しようとします。
ところが、またしても配管業者の考えは違います。
どこから漏れているかは、もはや問題ではない、20年近く経っているので給湯配管の更新をした方が早いとのこと。
なるほど・・・、そう言われればそうだと、またしても目からウロコでした。とても勉強になりました。

以上で、同じ建物で4回もの調査に関わり、それぞれ全く種類の異なる原因だったという希少なケースでした。
実に貴重な経験で、今後の雨漏り診断に大いに役立つことと期待したいところです。
ただし、喉元過ぎて熱さを忘れなければですが。

2019年5月25日
雨漏り110番都筑店
津嶋信行

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