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下屋根を葺き替えたのに直らない雨漏り事例【雨漏り110番館山店】
本日ののコラムは雨漏り110番館山店の佐々木が担当いたします。
よろしくお願いいたします。
今回の事例は雨漏り修理をするために下屋根の葺き替えをしたにも関わらず、下屋根の葺き替えをする以前よりも雨漏りが酷くなってしまった事例となります。
お客様のお話によると以前より1階居間天井の南面に設置してあるトップライト周辺から強風を伴なった雨の日に雨漏りが数度あったため、地元のリフォーム会社に相談。
「下屋根を葺き替えれば雨漏りは止まります」とのリフォーム会社の営業さんの言葉を信じ平成30年2月に工事を依頼。
工事が完了して間もない3月1日の朝7時ごろ、居間のテーブル上に水溜りがありトップライト下の床にも水滴を発見。
天井を見上げるとトップライト横の照明器具のカバーにも水が溜まっていたとのこと。
当日の気象状況は夜明け前から南風が強く吹き雨量も多かったとのこと。
過去にトップライト周りからの雨漏りは、強風を伴なった雨の日に数度あったもののテーブル上の天井からの雨漏りは初めてだという事でした。
雨漏りがあったその日に下屋根を施工したリフォーム会社に電話をしたが、後日担当の人間が現われておそらく窓周りのコーキングが劣化して、壁に叩きつけられた雨水がそこから侵入したのだと窓周りのコーキングを打っただけで帰ってしまったようです。
この時点でリフォーム会社に不信感を抱くようになり、第三者による原因究明の調査をしてほしいと、雨漏り110番館山店に散水調査のご依頼を受けました。
単一雨漏りが複数となるこの事例は少々長くなりますので、二度に分けてお伝えしたいと思います。
今回はトップライト周辺の散水調査の様子をお伝えします。
現場の状況は築40年以上の鉄骨造の横に木造で増築を繰り返し行った建物になります。
今回雨漏りが確認された位置関係は、二寸程の勾配の桟葺き屋根に設置されたトップライト周りと奥の外壁のサッシ窓の左横直下です。
リフォーム会社が施工したのはこの下屋根の葺き替え工事となります。
先ずは内部からの状況確認を行います。
幸いにも居間のテーブル上の天井の材質は、ビス止めの吸音テックスでしたので、ビスを取り外し天井裏の状況を確認することができました。
トップライト立ち上がり壁の外側ボードに複数の雨染を確認。
この画像により、以前から雨水の頻繁な浸入があったことが推測されます。
内部の確認が終わり散水調査をすすめてまいります。
散水箇所は屋根自体に水がかからないように養生をしてトップライトカバーを止めてあるビス周りに1時間の散水を試みましたが雨漏り具象なし。
トップライト自体の不具合はありませんでした。
その他、疑わしき箇所にも数か所散水しましたが、割愛させていただきます。
天井裏から確認した時にボードの染みがあった直上の画像。
この箇所に当日の気象状況を再現するために、南側より45度の角度をつけて散水調査を行いました。
雨漏りがあった当日の鴨川市の気象庁観測データを参考にしましたが、あくまで平均値の値なので、早朝の風速は瞬間的に20メートル近く吹いていたと思われます。
散水開始5分後に雨漏り具象を確認。
散水位置の直下において、野地板裏から浸出している事が確認されました。
この状態が長時間続くことにより、天井裏に溜まった雨水が電線を伝い照明器具に溜まったものと推測されます。
水分計を用いた雨漏り浸出位置の確認。散水前0%
散水後43%
雨漏り浸出位置の目視画像
サーモグラフィーカメラを用いて、表面温度低下による色の違いを確認。
この散水調査により原因として考えられるのは、豪雨時は二寸しかない緩やかな勾配の板金屋根は水はけが悪く、停滞した雨水が強風に押し上げられ、一次防水である屋根板金の納まりに不具合があり、雨水が侵入してしまうと考えられます。
本来であれば、一次防水に不具合があっても二次防水がしっかり施工されていれば、侵入した雨水は速やかに排出されるのですが、二次防水のルーフィングシートの端末処理に何かしらの不具合があると推測されます。
これで二箇所ある雨漏り浸出箇所の一つである、トップライト周辺からの原因が解明されたわけですがもう一箇所のテーブル上の雨漏り浸出箇所の散水調査の様子は、次回のコラムで詳しくお伝えしたいと思います。
2019年5月29日
雨漏り110番館山店
佐々木恒治