本日の雨漏り110番コラムは雨漏り110番練馬店の藤田が担当します。

聞けば雨漏りは数年前から始まっていたのかもしれません。ただ、浸出量があまり多くないため誰にも気づかれていなかったようです。一年ほど前のある日、家人が天井に出来た黒っぽいシミを発見してから気にし始めたところ、徐々にシミが大きくなっているように感じたので心配になり問い合わせをしたということでした。

見たところ、天井ボードに歪みなどは無く、クロスなどもめくれていない状態です。上階はルーフバルコニーです。状況から判断するにこれはおそらく雨漏りである確率が高いと感じました。
確認するためには、シミの近くに天井点検口などを設け小屋裏を確認するのが賢明です。その上で散水調査を実施すれば確度の高い検証が可能になります。過去の経験から察するに、この手の雨漏りでは木部の腐朽が進行している可能性が高いと言えます。おそらく天井ボード裏にはグラスウールなどの断熱材が敷き詰められているはずです。また、そうでなければなりません。ルーフバルコニーは下階から見れば「屋根」なので断熱材は必要不可欠だからです。

その建物にとって大切な断熱材ですが、こと雨漏り調査においては厄介な存在となります。天井内部に落滴する雨水が断熱材の上部表面に滞留してしまうと雨漏りに気付きにくくなります。その後、その水溜りの雨水は自然蒸発し、雨水の重みで出来たくぼみだけがしだいに深くなっていきます。多くの断熱材は、その表皮が防湿フィルムなどで覆われているため断熱材本体であるフカフカのガラス繊維層まで雨水が浸透しにくい状況にあります。また、断熱材本体のガラス繊維層などまで雨水が染み込んだとしても浸透拡散するためなかなか天井ボードまで雨水が到達しません。浸入する雨水が少ない場合はなおさらです。その時、怖いのが木材の腐朽なのです。

例えば、少量の雨漏りが度々あって、それが数年間続いていたとして、定期的に供給される雨水により影響部位の木材が腐食、腐朽していても室内からは全く気が付かないということになります。逆に、多めの雨水浸入であれば早期に雨漏りに気付くので早めの対策が可能かもしれません。浸入量が少ないことと断熱材の影響により悪い結果をもたらしてしまっている状況を今まで何度も目にしてきました。

などといろいろ過去の事例をご紹介しつつ、後日、雨漏り調査のお見積り書をご提示することになりました。調査時にはご在宅が必要になることもご説明しその日は現状確認を終えました。

数日後、調査実施のご連絡をいただきいよいよ雨漏り調査の開始です。被疑箇所は現調時に決めてあった５箇所です。この５箇所と言うのは、➀かなり怪しい所、②まあまあ怪しい所、➂可能性は少し低いが原因である可能性を捨てきれない所、④念のため確認しておいた方がよい所、⑤もしかしたらもしかするかもしれない所、などいろいろです。また、調査中に新たな被疑箇所を思い付くこともありますし、当初の被疑箇所を取り消す場合もあります。調査時はそれぞれの被疑箇所への散水時間もポイントになります。あくまでも状況を読み取りながら最善の方法を模索しながら調査を進めることが原因を読み解く近道であると確信しています。

散水調査の方法や順序にはいろいろな手順が存在しますが、必ずしも➀かなり怪しい所、から始めるとは限りません。そこに散水することでその他の被疑箇所へも影響がある場合はなるべく下方にある被疑箇所から始めます。※状況により散水手順は変わります。
かくして、雨漏り調査は淡々と執り行われ、その日のうちに雨漏りの原因は特定されることに相成りました。

調査後に聞いた話では、雨漏り調査の見積もりは私達以外の業者数社からも提示されており、予算もそれぞれでかなりの開きがあったそうです。私達の予算が何番目だったかは分かりませんし、何をもって我々に調査を発注しようと思ったのかも知り得ませんが、そういったお話を語ってくれたのもこの雨漏りの原因をしっかりと突き止められたからだと思います。ともすれば、値段の安さだけで業者を決めがちですが、内容が伴っているかどうかが最も重要な業者選定要因なのではないでしょうか。

オーナー様はこのようにもお話ししておりました。「まず、インターネットで業者を探しました。自分基準ですが、数社良さそうな業者を選びました。その数社に実際に現状を見てもらって見積もりを出してもらいました。そして、更に各業者のホームページを熟読し、担当者が話していたことなども加味して決定しました。現調してもらってから業者選定までの時間はほぼインターネットを見ていました。値段ではなく、内容に納得してから依頼したかったので。」と。
その熱意と判断に誤りがなかったという結果につながり、私達も本当によかったと感じております。神様は準備を整えた者に微笑むのですね。

私たちは迷えるあなたを雨漏りストレスから必ず解放します。決して後悔はさせません。

2019年6月26日
雨漏り110番練馬店
藤田裕二