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雨漏り事例 No.5【雨漏り110番静岡店】

2019.11.14 鉄骨造,シーリング工事,プロフェッショナルとして,正しい知識,サッシからの雨漏り,建物のメンテナンス,建築構造・建築施工,台風,コラム

今日のコラムは雨漏り110番静岡店の府川が担当させて頂きます。どうぞよろしくお願い致します。

今年は8月から10月に掛けて大きな台風が続きました。台風19号では静岡地区でも伊豆方面で被災された方々もおられます。関東や東北地方では台風被害に遭われ被災した方、又お亡くなりになられた方がたくさん居られます。家が使い物にならず途方に暮れる方々や残されたご遺族がどんな気持ちで過ごされているかを考えると胸が締め付けられます。
自然災害とはいえ、『もういい加減にしろ!!!』と台風を怒鳴りつけたい気持ちです。
被災された方、お亡くなりになりました方々には謹んでお見舞い、お悔やみ申し上げます。

幸い、私の住む静岡地区中心部はそれほどの被害はなかったのですが、それでも雨漏り相談は30件程度ありました。今回の台風は東北面に被害が多かったようで、通常被害が多い西南方面には少なかったように感じます。今事例はその中の1件です。

 

 

上記写真は静岡市にあります整形外科の東面サッシ部分です。これらは全て違う階になるのですが特筆すべきは全て東面だという事です。今回の台風被害の方角に丁度合致する例です。
実はこの建物、新築時から雨漏りしており、裁判にまで発展してしまった施主様にとっては大変忌々しい物件なのです。私も数十年に渡り対応をさせて頂いておりますが、毎年のように各所で雨漏りがあり、本当にお気の毒です。
この建物がなぜこれほど雨漏りするかは、もちろん施工不良という原因に集約していると思います。が、構造的な問題も多少関係していると考えています。

この建物の外壁はアスロックという外壁材が用いられています。これは(株)ノザワというメーカーが独自開発した押出成形セメント板で、耐火性、対候性、耐震性に優れた素材だという事で、20年以上前に少し流行った外壁材です。
過去に私が雨漏り調査した物件でこの横張り工法が用いられていた建物が数件ありましたが、私の印象では(あくまで個人的印象です)サッシとの取り合い施工が各施工業者に任せた場合が多かったのではないかと推測しています。1次防水であるシーリングのみに頼った工法であった為に建物の動きや経年劣化によりシーリング材が切れると雨漏りを引き起こしやすかったと考えています。(現在、メーカーのホームページを見ると横張り工法がリニューアルされていますので今ではこの問題が解決されていると思われます)

又、サッシにも耐風圧性能により等級がありますが、この建物がどの等級が使われていたのか、将又、仕様では高い等級を使う事になっていても、実際にはどうであったかは今となっては不明です。(建物を建築したビルダーは既に倒産しています)
元来、日本は雨が多く、軒の出を大きくし、窓上には霧除けを設ける家が一般的でしたが、オシャレな外観を求めた建物にはこの建物のように軒も霧除けもない場合が多く、これも雨漏りを助長するひとつの要因であるのではないかと個人的には考えています。

いずれにしてもこの建物を使用されている従業員の方々も安心して働けませんから何とかして直さなくてなりません。
高所になる為、足場仮設も必要ですので、先ずはそこからスタートです。
シーリングだけを打替えしたところで、数年すると又シーリング材が切れて雨漏りをする事は容易に想像できますので、ちょっとした工夫を取り入れ、シーリング材が多少切れたとしても簡単には雨漏りをしないようにしたいと考えています。

施工不良で雨漏りし、大変な思いをされるのはいつも施主様です。
無責任な施工をし、挙句の果てには倒産して、大金を支払われた施主様はどうしたらよいのでしょうか。長年関わらせて頂いている私も憤りを感じます。

いずれ又この事例で施工報告をさせて頂きます。

2019年11月14日
雨漏り110番静岡店
府川岳広

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