ブログ&コラム
- 雨漏り110番TOP
- >ブログ&コラム
- >ブログ詳細
雨漏り110番グループとしてのプライド(前編)【雨漏り110番名古屋北店】
本日の雨漏り110番コラムは名古屋北店の齋藤が担当します。
宜しくお願い致します。
お恥ずかしい話、コラムを書くのは人生で初めての経験ですので、文字では伝わらないかもしれませんが正直緊張しています(汗)
私の苦手分野であり、自分の気持ちを文章にする難しさを感じながらも、お客様に対し、雨漏りや工事についてのご説明、雨漏りに対する熱意、安心して頂けるようなご提案など、様々な場面で今回のコラム執筆の経験が活きてくると思っております。
なので、素直な気持ちを綴ってみたいと思います。
本日は、とある輸入住宅にお住いのお客様から雨漏りで悩んでいるとご連絡を頂いた時のエピソードを書かせて頂きます。
2018年12月初旬に1本の電話が鳴りました。弊社の事務員さんがそのお電話を対応していましたが、「少々お待ちください」と言い、私の方に来て深刻そうな顔で「このまますぐにそのお客様とお話しできませんか?」と言うのです。
なぜそんなことを言うのかといいますと、この時期は毎年恒例の年末までに工事を完工したいお客様ラッシュがあります。新年をきれいな状態で迎えたいと思うお客様の気持ちも痛いほどよくわかるため、非常にタイトなスケジュールでお仕事させて頂いていることから、お電話やウェブサイトからのお問い合わせは事務スタッフさんが一定の情報をヒヤリングした後、私がゆっくりお客様と向き合ってお話ができる時間を取ったうえで、あらためてお電話を折り返させて頂くようにしているのですが、なぜかその時、事務スタッフさんがすぐに私の方へ来たのです。
電話をかわった私があらためて状況を聞いてみると「今の今、雨漏りしています」と深刻な声を聞き、事務スタッフさんの行動の理由がすぐにわかりました。緊急対応です。
雨漏り工事業では『あるある』の話ですが、台風前後や強雨の日にはこのような緊急対応が多いのです。そうです、その日は雨だったのです。雨の降り方は強くはなかったので雨漏りしているという電話に正直内心では疑問を感じていました。
そして、その当日にスタッフさんと共にお客様のご自宅にお伺いしました。まず驚いたことが中世ヨーロッパをイメージさせるほどのお洒落な外観でした。そして室内に入り2度目の驚きはお部屋内も外観に合うコーディネートで華やかな作りになっており、そんな素敵なお部屋の1F天井から雨漏りしていたのです。
目視確認をさせて頂いた結果、屋根は輸入住宅の為、屋根勾配はきつくデザイン性のある柄のシングル屋根仕上げでした。
外壁はレンガ仕上げで屋根同様にデザイン性を高めるために目地をあえて埋めてない仕上げ方となっていました。
「勾配の急な屋根は比較的漏れにくいから屋根じゃなさそうだな~」そんな主観で物事を考えながらお客様のご自宅内に入らせて頂きました。
案の定、漏水していたのは1Fでした。1F天井の漏れている位置が外壁に近い位置で漏れており、その真上にはバルコニーがあることから、バルコニー床や立上りあたりから防水が老朽化して切れてしまっているのかと考え見に行くとなんのその、防水自体はやり替え時期は来ているものの漏水に直結するような損傷や老朽は見受けられませんでした。
防水層以外の懸念箇所がないか探してみると
バルコニーの手摺壁がボード塗装仕上げになっておりジョイントのシーリングの切れを確認しました。
次に考えられるのがレンガ貼り仕上げの外壁から漏水している可能性です。ただレンガが貼っている為、下地の状況は目視では判断が付きません。
その他の雨漏りの可能性を探る為に屋根裏に上がらせて頂きました。
屋根裏には断熱材が貼ってあり野地板が見えない状況ではありますが、断熱材の合間に見える垂木に雨染みを確認。あれ?っと思い断熱材を剥がしてみると、屋根の棟あたりから雨水が垂れ、雨漏りしていたバルコニー側の壁に滴って行っているではありませんか!
断熱材のビニール内部に水が溜まっており、とにかく応急処置で先ず雨水をバケツで借り受けし、雨水が滴っていかないようにしました。
そして屋根を確認しに行くと…
屋根のシングル材が捲れてしまっているではありませんか!たぶん台風などで屋根材が飛んでしまったのでしょう。お客様は気づいていなかった模様です。
ただ、ここは2Fの屋根です。
2Fの天井や内壁には何ら影響は出ていないことから考えられる仮説を立てると。
1.屋根から侵入した雨水が2F内壁内を通り1Fの天井で漏水している。
2.屋根の漏水とは関係なくバルコニーの防水と外壁取り合いから雨水が浸入し1F天井で漏水している。
3.バルコニー手摺壁や笠木から侵入し1F天井で漏水している。
4.外壁レンガ壁やサッシ廻りから侵入し1F天井で漏水している。
お客様にこの仮説をお伝えすると「漏水の原因と可能性がある箇所を全て修繕する工事見積をください」と言われました。なぜでしょう?私はいつもこの言葉を聞くと悲しくなります。お客様は原因が何なのか気にならないのでしょうか?屋根の工事は損傷が目視確認できているのでわかりますが、1Fの雨漏りは何が原因かはわかっていないのに。
確かにすべてを工事すれば止まるかもしれない。でも私はお客様にしっかり原因を突き止め、理由がわかった状態で工事を行って頂きたい。私はこの思いをお客様にお伝えし、雨漏り調査には費用がかかることもご説明しました。
私はこの時、一つ決めていたことがあります。もしこのお客様が雨漏り調査をしないと結論を出された場合、この仕事は断ろうと。私のエゴの押し付けかもしれません。でもやっぱり本当の意味で納得してもらいたい!雨漏りの難しさや怖さも理解してもらいたい!大切な建物の状況をしっかり理解し把握したうえで修理して欲しい!
そんな思いが届いたのか、雨漏り調査をすることを承諾して頂けました。
雨漏り110番グループに入らせて頂いたことで、ただただ防水施工が得意なだけのプライドの高い職人だった私の鼻をへし折って頂きました。雨漏りの怖さ、雨漏りを突き止める難しさ、雨漏りに向き合う姿勢や考え方を学び、如何に謙虚に向き合う大切さを学ばせて頂きました。
そして、一つだけ増えたプライドがあります。それは雨漏りのプロフェッショナルとして雨漏りの本質を知ることに目を背けないというプライドです。
そんなプライドは高いですが、もし雨漏りにお困りでしたら高い次元で雨漏りに向き合っている仲間達が居るこの雨漏り110番グループにぜひお任せください!
つたないコラムを最後まで読んで頂きありがとうございました!!
次回はこの続編で、いよいよ雨漏り調査に入っていきますのでお楽しみに!
2019年3月24日
雨漏り110番名古屋北店
齋藤亨