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「あれっ!もしかして雨漏り⁉」と思ってからのお話・その2【雨漏り110番小平店】
本日の雨漏り110番コラムは雨漏り110番小平店の米澤が担当します。
よろしくお願いいたします。
だいぶ春らしくなってまいりました。東京ではお彼岸の頃より咲き始めた桜が暖かな陽気でいっせいに花開き、今がお花見にちょうどいい頃になっているのではないでしょうか。ポカポカとした柔らかな陽の光の下で、ヒラヒラと舞う花びらを眺めながら唐揚げやお稲荷さんを頬ばり、ビールをグビっと、そして満腹になったらちょっと横になって気付いたら寝ていたなんてどうでしょうか。
いいですよねぇ。
ゆっくりとお花見に行きたいものですね。
前回私がコラムを担当したのは2月中旬、ちょうど二十四節季の一つ雨水(うすい)に入った頃でした。
毎日現場では色々なことが起こりますので、仕事に追われて忙しく過ごしておりますと月日が過ぎるのがアッと言う間です。
そうしてこのコラムもまた、私の順番が回って来てしまいました。
【調査までの話】
さて、それでは前回の続きをお話しいたしましょう。20年以上雨漏りに悩まされ続けてきたお客様のお話しです。雨漏り対策のために屋根、壁、サッシのリフォーム工事を行ないましたが結局雨漏りは止まらず困っています。しかし以前の業者さんはもう信頼出来ません。
今度こそはと願いを込めて、奥様とインターネットでたどり着いたのが雨漏り110番小平店でした。そして初訪問、ヒアリング、見積り提出、調査依頼と話は進んでまいりました。
お客様は以前にも一度、他業者による散水調査を実施しておりますが、にもかかわらず私達のご提案を受け入れて再度散水による原因究明調査の実施を承諾して下さいました。
このコラムをお読み下さっている皆様は「早く雨漏りを直してもらいたいのであって、調査をして欲しい訳じゃないんだよ!」と思うかもしれませんし、もしくは「おたく達は調査がしたい会社なの?」と疑われるかもしれません。
しかし、結果的に雨漏りを止められなかった業者さんが以前に行なった調査を基に工事を行なう訳にはいかないこともご納得いただけるかと思います。
やはりもう一度、自分達の方法で調査をやり直さなければならないのです。
少し余談になりますが、私は以前、調査の見積りを提出する際に資料として被疑箇所の写真を添付し(今は添付しておりません)これから行なう調査の説明をしておりました。
するとどうなるでしょうか、その資料を基に違う業者さんに調査を依頼したり、ご自分で散水されたりする方が少なからず出てくるのです。
私達はただ調査をして儲けようという会社ではありませんから、それはそれでかまいません。
問題なのは被疑箇所が分かったとしても、ただそこに水を掛ければいいという訳ではなく、手順や時間、その他諸々のノウハウが必要となり、そのノウハウを理解しないまま散水を行なうと間違った判断をしてしまうということなのです。それは「=雨漏りが止まらない」ということにつながります。
雨漏り調査の重要性についてはこのコラムリレーの最初の記事で雨漏り110番グループ代表の唐鎌が話しております。
もっと知りたい方はこちらの記事へ
https://amamori110.com/blog/1715/
また他店の記事の中でも繰り返し述べられていることなので、私が改めて語らずとも充分かと思います。
話を戻しましょう。お客様は私達がもう一度、散水調査を行うことを承諾して下さいました。しかし、当時私はちょうど難しい雨漏り修理の現場が重なり、余裕を持って組んでいたはずのスケジュールも押せ押せになってきてしまい、お客様に何度か予定の変更をお願いすることになりました。
最終的な日程も大分こちらの都合に合わせていただくかたちで決まりました。散々お待ちいただいたお客様ですから期待を裏切らないよう全力で調査に臨まなくてはなりません。
少し状況を整理してみますと、雨漏りは年に1・2回程度、東風を伴う強い雨の時、降り始めてから漏れるまでの時間は早く、止んでから収まるまでの時間は短い、受け皿に溜まる程度の漏れ具合、この他には天井に確認のために点検口が取り付けてあり、そこから壁の内側が見られる状況になっています。そして見える範囲においては柱や梁、ラス板などの木部に酷い腐れやシロアリの害はありません。これらの情報に窓や貫通部の有無や位置関係などの現場の状況をプラスするとおおよそのメカニズム(仮説)が見えてきます。この仮説に基づいて散水を行なうからこそ調査として成立するのです。
【散水調査のポイント・ノウハウ】
当初、私は2日の日程で調査を予定しておりました。これは発生頻度が少ない雨漏りであるため、ある一定の条件が揃わないと再現出来ない難しい雨漏りである可能性が高く、再現に時間が掛かることを想定してのことです。
調査の詳細はここではあまり語らないことにいたしますが、大まかな流れをご説明します。
散水調査の基本セオリーは下から上へ徐々に位置を変えて進めていくというものです。ですからまずは雨水浸出位置の直上にあたる2階サッシ下外壁への散水からスタートしました。木造戸建住宅の場合、余程複雑な経路を辿らないかぎり、概ね1時間から1時間半の散水で雨漏り具像の再現が確認出来なかった時は当該箇所に問題なしと判断出来ます。(あくまでも目安です)
ヒアリングによると雨が降ってから漏れるまでの時間は早いとの事でしたので、今回の調査では1時間の散水で漏水がなかった場合は問題なしと判断することにして調査を進めていきました。
散水を開始してからは数分おきに浸出位置を確認します。漏水の有無に関わらずこの確認の時はいつも緊張するものです。散水開始後1時間が経過しました。点検口から注意深く梁や柱を確認します。特に変化はありません。これでサッシ下は問題なしと判断しました。ここまでは想定通りです。
その後は各被疑箇所を調査していくのですが、その際に他の被疑箇所に水が掛からないよう養生を施すことが重要なポイントとなります。あえて具体的な方法はご説明いたしませんが、こうしたポイントやノウハウをいかに正確に的確に積み上げていけるかどうかが調査の精度(=信頼)に関わってきます。
次の箇所へ散水道具をセッティングし散水開始。水流の角度や量を微調整して再度天井裏を確認します。ちょうど20分を過ぎた時に梁が濡れ、水滴が垂れるのを確認しました。これで雨漏り具像の再現となります。
多くの業者さんやお客様がなかなか最終的な雨漏りの解決にたどり着けない理由の1つとして散水調査の誤診があります。どういうことかと申しますと、先程のように雨漏り具像の再現を確認した場合、すぐに「ここが原因です」と結論付けてしまい「ここを塞ぎましょう」と短絡的に補修方法を決めてしまうのです。
雨漏りの原因、雨水の浸入口は一つとは限りません。
他に浸入口になりえる場所はないのか、養生はしっかりと出来ていたのか、といったことを確認しながら各被疑個所を丁寧に調査していくことで初めて精度の高い診断が可能になり、調査の誤診を防ぐことが出来るのです。
この日、私達は浸入口を特定するために7回セッティングを変えて散水を行っています。
こうして細かく状況を変えながら散水を進めていくことで、雨水の浸入経路が想定出来るようになり、2日間の調査予定を一日で終了することが出来ました。
当然、費用も一日分しかいただきませんので、お客様のご負担も抑えられることになります。
念入りな調査を行うことが結果的に時間もお金も節約出来て、次のしっかりした修理方法のご提案につながり、やみくもでとんちんかんな補修をしないですむことになるのです。
お客様が「あれっ!もしかして雨漏り⁉」とお気付きになられてから20年以上経ち、ようやく解決の糸口が見えてきました。そしていよいよ雨漏り修理のお話しに続いていくのですが、このまま話を続けますと長くなってしまいますので今回はこの辺りで終わりにさせていただきます。
「あれっ!もしかして雨漏り⁉」と思ってからのお話は「お問合せ、調査依頼までのお話」「散水調査のお話」「雨漏り修理のお話」と三部作で話を進めてまいります。
続きは次回のコラム、2019年5月中旬に掲載予定となっています。
「あれっ!もしかして雨漏り⁉」と思ってからのお話・その1 ※2019年2月19日コラム
「あれっ!もしかして雨漏り⁉」と思ってからのお話・その2 ※本稿(2019年4月2日)
「あれっ!もしかして雨漏り⁉」と思ってからのお話・その3 ※5月中旬頃掲載予定
2019年4月2日
雨漏り110番小平店
米澤義則