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2次防水まで処置する根本的な雨漏り修理について知っておいて欲しいこと【雨漏り110番世田谷店】

2019.04.18 ビックリ事例,建物のメンテナンス,建築構造・建築施工,雨漏り職人,複数浸入雨漏り,雨漏り修理の方法,雨漏り事例,雨漏りに取り組む,雨漏り110番グループ,コラム

本日の雨漏り110番コラムは雨漏り110番本部・世田谷店の唐鎌が担当します。

一般的な木造住宅の雨漏り修理をする場合、大きく分けて2つの方向性があります。
【1次防水だけを処置する表面的な対策】と【2次防水まで処置する根本的な対策】です。
どちらが良いとか悪いということを論じるコラムではありませんので、その点については誤解しないで読み進めて頂きたいのですが、いずれにしても上記の2つの方向性があるということを、まずはお客様に知っておいて頂きたいのです。

【1次防水だけを処置する表面的な対策】とは、わかりやすく言うと、住宅の外壁や屋根など目に見えている表面的な部分に防水的な処置をすることで雨の浸入を防ぐという方向性です。
この方向性を本コラムにおいては、便宜的に【1次防水だけ処置】と略して表現することにします

【2次防水まで処置する根本的な対策】とは、外壁の内部に貼ってあるアスファルトフェルトや透湿防水シートなどの不具合を修理したり、瓦の下に貼ってあるアスファルトルーフィングなどの防水シートを修理することで、雨漏りしている住宅を本来あるべき状態にまで原状回復させる方向性です。

本コラムにおいては【2次防水まで処置】と略して表現することにします。

ここまで読むと、単純に【1次防水だけ処置】より【2次防水まで処置】のほうが良い仕事なのだと思われたことでしょう。
確かに『建物を本来あるべき状態に戻す』わけですから【2次防水まで処置】のほうが良い仕事と言っても過言ではないでしょう。
だからと言って【1次防水だけ処置】を否定するのは間違いです。
【1次防水だけ処置】も、時と場合によっては必要な工事ですし、雨漏り修理の方法として、けっして間違っているわけではありません。
ケースバイケースですが【2次防水まで処置】よりお薦めできる場合もあるのです。

わかりやすく言えば【1次防水だけ処置】は応急処置的な工事です。
それに対して【2次防水まで処置】は根本的な解決を目指す工事なのです。
応急処置的な工事が悪いというのはおかしな話です。
応急処置が必要なケースも多々あるからです。
また応急処置のメリットもあります。
応急処置は、比較的簡単に、しかも早く処置できます。
つまり工期が短くなり、予算も安くできます。

逆に【2次防水まで処置】は、必然的に本格的な工事になってしまうため、大がかかりな工事となりがちで、その結果、工期は長く、予算も高くなってしまいます。
根本的な解決を目指すということは、時間もコストもかかるということでもあります。

ですので、【1次防水だけ処置】も【2次防水まで処置】も、どちらが良いとか悪いではなく、お客様の建物に対する考え方や、長期的なメンテナンスの計画、さらには予算に合わせて、双方を比較検討すべき選択肢なのです。
どちらの方向性にもメリット・デメリットがあり、どちらにも選ばれるべき理由があるのです。
大げさな話ではなく、住まいのことはお客様の人生計画にも関わってくる問題ですので、しっかり検討し吟味して方向性を決めて頂きたいのです。

そして、もう一つお伝えしておきたい大切なことがあります。
それは、【2次防水まで処置】の場合は、追加工事が発生しやすいということです。
この点については、お客様にも予めご理解しておいて頂きたいのです。

なぜ追加工事が発生しやすいのか?
それには明確な理由があります。
【2次防水まで処置】は【1次防水だけ処置】と違って、もともと目に見えない部分に対して手を加える工事だからです。

どういうことか?
冒頭でも説明しました通り【2次防水まで処置】は、外壁内部のアスファルトフェルトや透湿防水シート、また瓦の下のアスファルトルーフィングなど、2次防水の不具合を修理する必要があります。
つまり、外壁や瓦に隠れている部分を修理するわけです。
裏を返せば、外壁や瓦を剥がしてみないと実際の状態がわからない、ということでもあります。

もちろん我々はプロですから、事前の雨漏り調査などによって、ある程度はその下地の状態を予測し、想定したうえで工事に挑んでいます。
そのうえで工事をしているわけですが、実際に外壁を剥がしてみたら想像以上に劣化や腐食が進んでいた、ということも稀にあるのです。
例えるなら、お医者さんがCTやMRIなどの様々なハイテク機器を使って、事前に綿密に検査・診断してからオペに挑んだとしても、いざ開腹してみたら想像以上に病状が進行していた、というケースと同じだと思ってください。

下の写真を見てください。
こちらの事例では、1階で雨漏りが起きており、その上部にあたる2階窓左側のモルタル外壁を撤去した状態です。

写真を見てわかるように、木下地が激しく傷んでいます。
工事前の想定では、この2階窓左側あたりの2次防水を修理することで対処できる予定の雨漏りでした。
ところが、この状況を見てわかるように、この位置よりもさらに上部から2次防水の裏に雨水がまわっていることが発覚したのです。結果的に工事の範囲(モルタル外壁を撤去する範囲)を、さらに上に進める必要が生じたわけです。
これが追加工事となる部分です。
この追加工事によって、モルタル撤去を上へ上へ進めた結果、さらに新たな事実がわかりました。

下の写真を見てください。
3階窓下の写真です。
雨漏りのプロならこの写真をひと目見ただけでわかると思いますが、新築時点において大きな施工不良があることが明白です。

3階窓サッシの窓台(窓の下端)に、いわゆる捨て張りがありません。
本来なら窓サッシを設置する前に、窓台にアスファルトフェルトなどで捨て張りをしてあるはずです。
この建物にはそれが入っていないのです。
この事実はモルタル撤去を掘り進めなければ絶対にわかりません。
雨漏りの浸出状況によって想像できる場合もありますが、そんなことは稀です。
今回のケースではこのことを事前に想定することは全く不可能だったと断言できます。

神の手と言われる外科医であっても、開腹しなければわからない隠れた患部の病状があるように、我々雨漏りの専門家であっても、外壁や屋根を撤去して初めてわかる不具合や劣化状況があるのです。
ですので、お客様にも【2次防水まで処置】する場合に、このようなデメリットやリスクがあることを予め知っておいて欲しいのです。
そのうえで、ご自身の人生設計やご自宅の長期メンテナンス計画、さらには予算などをじっくりと考慮したうえで、【1次防水だけ処置】するのか、【2次防水まで処置】するのか、慎重に検討して頂ければと思います。

私たち雨漏り110番グループでは、お客様のお考えをしっかりお聞きし、お客様のライフプランやご希望に沿ったご提案をするように心がけています。
ただたんに良い工事を勧めるだけではなく、お客様にとって何がベストなのか?を考えてご提案します。
お客様の大切な建物が、もし自分の建物だったらどうするのか?自分だったらどうしたいのか?
その視点からもアドバイスさせて頂きます。
お住まいのことでお悩みの際は、ぜひ私たち雨漏り110番グループにお気軽にご相談ください。

2019年4月18日
雨漏り110番本部・世田谷店
唐鎌謙二

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