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2Fには雨漏りがないのに1Fに突如現れる雨漏り【雨漏り110番仙台北店】

2019.05.24 雨仕舞,プロフェッショナルとして,建築板金,建築構造・建築施工,雨漏り職人,雨漏り修理,雨漏り事例,雨漏り診断・雨漏り調査,コラム

本日のコラムは宮城県の雨漏り110番 仙台北店の吉田が担当いたします。
まず弊社は、創業してから15年目。雨漏り診断士と1級建築塗装技能士がいるペンキ屋として一般建築塗装・雨漏り調査業務・防水工事業務・鳥害対策などを営んでおります。

それでは、早速ですが雨漏り案件のご紹介をしたいと思います。現場は仙台市宮城野区の築30年以上の倉庫兼事務所2階建てS造(鉄骨造)の物件になります。

まずは、ご担当者様にヒアリングです。いつ・どんな雨の時・どのような雨漏りを起こすのか?
比較的強い雨で風も強いときに1Fの床だけカーペットの床だけがひたひたになるぐらい雨漏りをするということでした。
ちょうど1Fのエントランスのところで天井には点検口がありましたのでこれは覗けば分かると思い脚立を立てて点検口を覗くと、全く形跡が見当たらないのです。

1Fにそれだけ雨漏りするということは2Fにだって同じような雨漏り具象が出ているはずだと思い2Fも見せていただくことにしました。
会議室のようなスペースで普段は使っていないということでした。ラッキーなことにそこにも点検口が付いてるじゃないですか!!これはすぐに原因究明が出来ると思い覗いてみると、どこも傷んでないし、雨漏りの痕跡がないじゃない・・・あれ???

まあ、覗いてわかるくらいなら初めから私は呼ばれないよな・・・などと心の中で呟きながら更に調査を進めてみました。

そこで、建物の構造に目を向け、どこか見えないところを水が通っているという仮説を立てて様々な個所を疑ってみることにしました。
2Fに雨漏りがないということで1Fをまず疑いました。

玄関のパラペット上からシーリングが確かに劣化しているではないですか!?ここから入ってH鋼を滑り台のように水が・・・そんなはずはない・・・高さが違う・・・
吹き付けるような雨を想定して、壁からの浸水も疑ってみました。縦目地のシーリングは全滅しておりました。もはやシーリングが劣化してボロボロになりないところも確認しました。

それにしても、ピンポイントで建物の真ん中の1Fの床までお水は達しないはずだなと思い別なところに調査を移しました。

次は、2Fの部屋の裏側には倉庫があり裏に廻ってみることにしました。
すると、ボード面を縦に滑り落ちた雨跡を確認することが出来ました。
これは、屋根の上部か立上りの壁の付近に何らかの原因があるはずだと仮説を立て散水調査のお見積りを提出しました。

足場を組んで壁と屋根、屋根側の立ち上がりの壁付近に散水するというお見積りでした。
何とか原因を突き止めてほしい、そして雨漏りを止めてほしいというお客様の願いを必ずや叶えなければならない、それがプロというもの。

散水調査は2日を要しました。意外と雨漏りの再現には時間を要しました。
私は当初から笠木板金であると仮説を立てて板金屋さんにお見積りがてら見ていただくと、それだけはない、絶対に壁からですと言われ内心カチンと来ましたが、板金のプロの意見も尊重して1日目は壁を中心に散水することにしてしまいました。しかし1日目で出ないということは2日目の朝カーペットが濡れていなければ、絶対に立上り付近であるということになるので、ぐっと我慢しました。
次の日雨漏り箇所であるカーペットは濡れておらず壁ではないと確信し、立上り部分に散水を行いました。

屋根の方と壁側と2方向を約30分ずつ散水し雨漏りを再現しました。
このことから、笠木から侵入した雨水はH鋼などの鉄骨を通って倉庫のボード面、事務所棟に関しては2Fの部屋には雨漏りせずに床に達し、巾木の隙間からじわじわと雨漏りをすることが分かりました。

その日を境に、その板金屋さんは、私のことをただの塗装屋と思わなくなったのは言うまでもありません。板金屋さんは既成概念にとらわれて犯人を見失ったのです。
これは、仕事のできる職人さんほど雨漏りを見つけるのは難しいということなのです。
なぜなら、その職人さん自身は雨漏りを引き起こすような仕事はしないからです。
まさかそんなことはしないはず!!そんな考えに捉われると雨漏りは見つけられません。

建てた会社も図面を引いた設計士も、雨仕舞をキチンと考えられて建てられており、雨漏りはしないと自信を持って建てられたものです。
しかし、実際に雨漏りは起こっているので、経年劣化や施工不良などすべての要因を疑っていかねばなりません。

今回現場を見て私が着目した点は、笠木の被りが浅く、壁との隙間が空いてなく、後で足場を組んでから分かったことですが、広げてみると隙間があり壁の方に指が入られるほどの穴もいくつか見つかりました。経年劣化によって不具合が起きたり、雨仕舞が上手くなされていなければ雨漏りは当然起きます。元々雨漏りしていなかったことからも今回の雨漏りはバックアップ材などの劣化によって不具合が発生したと推察できます。

費用負担を極力抑えるためにも仮説を立てて1つずつ潰していくことで解決につながっていきます。
お客様には、板金のカバー工法と劣化したシーリング箇所の打ち替えのご提案をして工事をいたしました。

まずは、返しの長さを計ります。そして、大体鉛筆がさすところまで下して板金を被せます。

そして、笠木上部に防水シートを貼り板金裏にシーリングで補強後に被せて横からビスで固定しました。

雨漏り110番仙台北店では、お客様のご要望に応じて調査のみ・調査して修繕のご提案・調査診断して修繕業務請負・報告書の作成まで様々なお手伝いをさせていただいております。

やみくもにシーリングをして逆に雨漏りを誘発するようなことの無い様に我々雨漏りの専門家を上手に利用なさってみてはいかがでしょうか?

きっと皆様のお役に立てることと思います。

これまでも、これからも日本の雨漏りの最後の砦となることを目指してまいります。

2019年5月24日
雨漏り110番仙台北店
吉田哲朗

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