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透湿防水シートの貼り方を間違えると、雨漏りを発生させてしまいます【雨漏り110番松戸店】

2019.08.04 2次防水の不具合,雨仕舞,プロフェッショナルとして,正しい知識,雨漏り事例,雨漏り診断・雨漏り調査,コラム

本日のコラムは、雨漏り110番松戸店の高松が担当します。

1階の台所サッシ上枠から、雨が垂れてくるとの事でご相談をいただきました。
雨の度に漏れてくるのではなく、風を伴った雨量が多い雨の時に漏れてくるとの事です。

外部から確認します。

サイディングのジョイント目地のシーリング材の状態は、梯子で届く範囲は補修されていて、打ち替えられています。
が、一部切れていてサイディング内に雨水は浸入してしまう状態になっています。
では、本当にこのジョイントシーリング材が切れているところが原因で、雨漏りがしているのかを確かめるために、散水調査を行います。

まずは漏れているサッシのすぐ上の、サッシと外壁の取り合い部分を確認します。 この部分に1時間半散水を行いましたが、雨漏りは再現されませんでした。

続いて、2階のサッシ下のジョイントシーリング部分に散水を行います。

この部分のシーリング材は、補修のために打ち替えられています。しかし所どころシーリング材が切れている為、疑わしい所と考えられます。
しかし、1時間半散水を行いましたが、雨漏りは再現されませんでした。
疑わしい所ではありますが、原因位置ではなかったのです。

さらに高い位置である、2階のサッシ縦枠と外壁の取り合い部分に散水を行います。
すると、1時間程度で、雨漏りしている時と同じように、サッシ上枠から試験水が垂れ落ちてきました。
サッシ廻りが原因位置であることが判明しました。
原因位置判明したので、修理工事を行い雨漏り解決して解決していきます。
考え方としては、二通りの考え方があります。
1つは、原因位置であるサッシ廻りのシーリングを打ち替えて、サイディング内に雨水を浸入させない、という考えです。メリットとしては価格がおさえられます。デメリットとしてはシーリング材が劣化し、切れてしまえば再度雨漏りが起こることになります。
2つ目は、外壁のサイディングを剥がして、裏にある透湿防水シートまで修理する考えです。
本来1次防水(外装仕上げ材表面)を突破されても、2次防水(透湿防水シート)が機能して室内に雨水を浸入させない仕組みになっています。試験水をかけた時に、雨漏りが再現されると言う事は、この2次防水である透湿防水シートに不具合が発生していると考えられます。考え方的には、外壁のサイディングが貼られていなくても、透湿防水シートだけ貼られている状態で雨に降られても、室内に雨水が浸入しないようにしておかなければなりません。本当の意味で雨漏りの解決とは、透湿防水シートを健全な状態に直すことが、雨漏りの解決であると考えます。
しかし、建物の持ち主の方の考えもありますので、お互いに納得した方向で雨漏り修理を行っていきます。
今回の建物の持ち主の方の考えは、多くの皆さんの考え方と一緒で、外壁を剥がして2次防水である透湿防水シートまでしっかり直す、という方向で進めることとなりました。

ここからは、実際に外壁サイディングを剥がして、透湿防水シートの状態を確認していきます。

2階のサッシ縦枠部分には、雨が通っていたと思われるシミ跡が確認できます。
しかし、本来の考え方ではこの透湿防水シートの上を雨水が通り、排水されていくと言う事になります。雨の通ったシミ跡があるからと言って、ここが原因で雨漏りしていると言う事はできません。
ではどこか雨水が入っていたのでしょうか?

2階サッシの下で、1階の雨漏りしているサッシとの中間地点に、黒いシミ跡があります。
この位置から雨水が建物内に浸入していました。
さらに、よく観察してみると

透湿防水シートの貼り方が間違っています。下から上に貼っていくのが、本来の貼り方ですが、この部分は上を先に貼って、下を後から貼っています。ですからサッシ廻りから浸入してきた雨水は、透湿防水シートの裏に回り、雨漏りの原因になっていました。

ここで動画をご覧ください。

この様な貼り方になっていなければ、雨漏りは起きていなかったかもしれません。新築時に雨漏りを起こさないようにと考えて、透湿防水シートを貼ってくれていれば・・・

透湿防水シートの貼り方を間違えると、雨漏りを発生させてしまいます。

2019年8月4日
雨漏り110番松戸店
高松洋平

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