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配管パテを使ったポケット工法(自称)の紹介【雨漏り110番都筑店】
本日の雨漏り110番コラムは雨漏り110番都筑店の津嶋が担当します。
よろしくお願いします。
今回は、ラストコラムということもあり、新しい雨漏り調査手法について述べてみたいと思います。
雨漏り調査は、複数の被疑個所に対し自然の雨に近い散水を行い、雨漏り具象を再現することにより原因を特定することに尽きます。
その手法としては、散水調査がメインとなり、副次的に水張り試験があるというところです。
散水調査では、シャワー散水、パイプ散水、高圧散水等があります。
しかし、建物周辺の状況によっては、散水による飛散が問題となり、それが使えないケースがあります。
例えば、散水面の下が歩車道に近いと、第三者よりクレームが出て中止せざるを得ない事態に直面することがあります。また、隣家が留守で洗濯物を干してある場合などは、とても散水は出来ません。
養生するのもなかなか厄介なものです。
そこで、このようなケースでは、配管パテによるポケット工法(自称)をお薦めします。
私の調査対象建物はRC造、S造が多いのですが、木造でも使えるケースがあるかと思います。
配管パテまたはエアコンパテ等の名称で市販されている製品を使いますが、これで被疑個所に対してポケットを造り水を溜めるものです。
溜めた水がポケットの外に漏れないことが前提ですが、溜めた水が減少するようであれば建物の中に水が浸入していると云えます、つまり雨漏り原因である確率が高いということです。
減少しなければ、そこは問題ない個所と判定できます。
複数の箇所が同時進行で出来るので、何しろ時間の節約になり効率が上がるのが最大のメリットです。
ポケット内の水の減少が複数ある時には、蛍光液に切り替えたり、水の出し入れによる反応の違いで判断しましょう。
では、ポケットを作る際のポイントを述べます。
ポケットの縁は、外側に水漏れしないように接着面にしっかりと圧着します。
その際に水の浸入口を塞がないことは言うまでもないでしょう。
溜めた水の減少が微小と予測される場合は、あらかじめ印をつけた位置まで水を溜めることが肝心です。水を溜めてから印を付けるのは難しいのです、マジックインキなどはインクが水に流れてしまいマーキング出来ません。
夏場は、水が蒸発することも考慮に入れておきましょう。
水を溜めるには、微調整がきく洗浄ボトルで注入するのがよいでしょう。
なお、気を付けることは、ポケットを作る際に接着面が汚れていたり濡れていてはダメです。
パテ自体に撥水性があるので全く接着しません、ドライヤー、ウエス等でよく乾かしましょう。
ポケットは水平方向に長く造ることも、縦に長く造ることも可能です。
では、事例写真を紹介します。
タイル外壁ですが、ブランコ職人さんに手伝ってもらったケースです。
当日の作業開始前に、ブランコ職人さんに要領を説明して挑戦してもらいました。
初めてなのに、水がこぼれることもなく上手に出来ました。
水が黄色っぽいのは蛍光液だからです。
偶然にも、しがみついているような形になっていました。職人さんセンスある!
サッシの縦方向のシールが切れているケースでは、縦長に花瓶のように造りました。
また、応用例ですが、屋上防水の改修後に防水シート下に水が溜まる原因を探る際に使ったケースです。
溜まっている箇所の一部を切開し、溜まっている水を掃除機であらかた吸い出し、その周りに堰を造りました。
被疑個所に散水すると、当然、防水シート上を水が流れますが、防水シート下から湧き出す水を隔離する必要があるためです。
散水には蛍光液を使いますが、一枚目の写真はブラックライトで照らすと堰内の水は透明で堰外の水は青いですね。
堰内の水が青くなった時が、防水シート下に蛍光液が入ったということになり、散水していた位置が浸入箇所であると証明出来ます。
以上、ポケット工法の紹介となりましたが、機会がありましたら、ぜひ挑戦してみてください。
2019年 11月 26日
雨漏り110番都筑店
津嶋信行